Kiyoaki Takashima/ 高嶋清明のBLOG

カテゴリー: 昆虫

  • 夜の鳴く虫〜津波被災地にて〜

    8月は結局一度もボランティア活動に参加しないまま、31日をむかえてしまいました。
    空いた時間とボランティアのニーズがかみ合わず、といっても、このままでは気になるいつものポイントの環境の変化も見ないまま。。。これではいけない!

    特に気になるのが秋の鳴く虫です。

    被災前にどんな虫たちが鳴いていたのかも知りません。
    でも、少なくとも、津波をかぶった頃は卵だった直翅類が成虫にまで育った様子を確認したいと思いました。

    トンボは見落としてしまえばそれまでですが、鳴く虫なら耳をすませてその場に立っていれば、生き残っている種類がわかります。調査しやすい対象と思います。

    日没の時間に合わせて現地に向かいました。
    そこで山形の永幡さんと合流。

    いまだ幹線道路沿いの外灯も復帰しない闇の中、降るような星空のもとで虫さがしを開始しました。

    1ヶ所目に聞いた鳴く虫の声
    カンタン、ハヤシノウマオイ、ヒメクサキリ、セスジツユムシ、エンマコオロギ、(ハラ?)オカメコオロギ、ツヅレサセコオロギ、ミツカドコオロギ、オナガササキリ、ウスイロササキリ、マダラスズ、シバスズ?

    写真はカンタンとセスジツユムシ
     

    録音した音は、ずいぶん久しぶりにPodcastにアップしました。>>>http://itunes.apple.com/podcast/id202445955
    (1)の方です。
    種類数は十分と思いますが、やっぱり絶対数は少なく感じました。
    夜空の満点の星のように、圧倒されるようなボリューム感を期待したのですが、私の予想はかなり甘かった。。。
    7月にカマキリやヒメギス、イナゴなどの幼虫を次々に見つけていたので、卵越冬のもの達は案外強いんだと早合点してしまったようです。
    あれだけの津波被害を見ていて、どうかしていました。

    ところで、スズムシもいてもいいはずだけど・・・すると永幡さんが、先程までいた場所でそれらしき声を聞いていたとのことで、そちらに向かうことにしました。
    その移動中にもスズムシの声は聞こえ始め、目的のポイントも美しい鳴き声につつまれていました。

    LEDライトで鳴き声のする方を照らしてハッとしました。
    そこには鉄筋コンクリートのがれきが山のように積まれていたのです。
    スズムシはよく伐採木を積んだような場所にまとまっていたりしますから、確かに好みそうな環境ですが、夜の闇に突然現れたがれきの山に衝撃を受けました。

    海岸がすぐ側のこの土地では建物は全て流され、多くの人命も奪われたとのこと。
    何も残っていない真っ平らな地面を前に、かつての様子を想像することもできません。

    もし自分が無念な気持ちを残して死んでしまったとしたら、私の魂は夜の虫の音を聞くことができるだろうか。
    スズムシのやさしい音色は、どう耳に響くだろう。
    悔しさがこみ上げてくるだろうか、美しい音色に心を委ねるだろうか。

    どうせなら、うるさいくらいに賑やかな声でやって欲しいのではないか。。。

    鳴いてはいるものの、数は少なめでやっぱりちょっと寂しく思いました。8月末は、もっとも数の多くなる時期と思います。エサ不足で成長が遅れている可能性もあるでしょうか?

    スズムシの声はリンク先の(2)の方です。>>>http://itunes.apple.com/podcast/id202445955

  • サトクダマキモドキ

    夜の闇に飛ぶサトクダマキモドキ。庭でつかまえた一匹にモデルさんになってもらいました。何度もくり返し飛んでくれるいいモデルさんでしたが、だいぶ疲れさせてしまったかな。。。

      

    閃光時間1/20000秒のストロボを使用。

  • アゲハの蛹化

    ミカンの枝で蛹になってくれました。その様子をムービー一眼、パナソニックGH2で撮影。レンズはシグマ マクロ150mmです。


    ただカメラを回しただけの映像でも、見れば見るほど面白い!気になるところは、ぜひ何度でもくり返して見て下さい。これまで少なくとも5回は撮影している私ですが、皮がどんどん後方に送られていく動き、気管の脱皮、尾端の再接着のシーンなど、面白くって毎度見入ってしまいます。

    今回、あらためて気になったのは、幼虫の皮の下に時々現れる気泡です。3:25あたりがわかりやすいでしょうか。自然に気泡ができてしまうのか、自発的に空気を送りこんでいるのか・・・いや、そうか!ちょっと閃きました。

    気管の脱皮が終わり、皮の下の気門から呼気が出はじめた、ということではないでしょうか。考えてみれば、脱皮の最中は、呼吸も満足にできない苦しい時間なのかも知れませんね。

    抜け殻を落とすまでは、ほとんどノーカット。
    速度も通常のままです。

    蛹化や羽化の映像はよく時間を縮めた映像で紹介されがち。速度を変えたならそのように伝えてほしいものですが、忘れてしまうのか意図的なのか、全く注釈ないままテレビで放送されてしまうこともしばしば。とんでもない誤解がうまれるんじゃないかと、私はテレビを見ていて心配になります。

  • FASTCAM SA2のデータより

    SA2では、AVIやQuicktimeといった動画をはじめ、JPEGやTIFFなどの画像でも記録できます。ですが、私は毎回RAW形式で記録しています。RAWだからといって、普通デジカメでできるような幅広い露出調整はできませんが、記録形式の選択に迷うことなくまず撮って、あとでFASTCAM専用ソフトPhtron Fastcam Viewer(PFV)で様々な形式に書き出すことができるのがありがたいところ。

    RAWから動画へ書き出す過程でJPEGに書きだしたものをリサイズして並べてみました。トノサマバッタのジャンプです。秒3000コマでの撮影のものを10コマごと抜き出しています(画像にカーソルをかさねると、ファイル名が表示されます)。実際にはもっと細かく撮れているというわけで、おそるべし秒3000コマ!

      

    しかし、1枚の写真としてどうかというと、トノサマバッタは全コマブレブレです。サムネイルからもブレ具合がわかると思います。1/3000秒で写真を撮っては、全くとまらないことがイヤというほど分かる結果ですね。

    そもそもオリジナルサイズが1080×1080ピクセル(約100万画素)ですから、単写真としては残念ながらNG。こんなふうに、連続写真で並べることでようやく価値が生まれます。

    ちょうどこんな画像を見ていたところでしたので、先日の海野さんの小諸日記、クルマバッタモドキのジャンプには、えらく驚きました。先生、さりげなく載せておられますが、私はこれまで見たことのないタイプの写真に本当にビックリ!!いったいどうやって撮られたのでしょう???

    ご本人に電話で伺って、なるほどと納得しました。スチルカメラもおそるべし!

  • オトシブミ二種のウルトラスロー映像

    ナミオトシブミとヒゲナガオトシブミの飛びたちの瞬間です。
    今年6月にPhotron社 FASTCAM SA2で撮影した映像より、YouTubeにアップしました。

    現在のハイスピードカメラは従来より感度性能も格段にアップしています。この映像は、96球の小型LEDライト2灯使用し室内で撮影。ハイスピードカメラ用の光源としては貧弱なものですが、なんと3000fpsで撮影できました。小さな昆虫なので、ライトをかなり近づけることができたこともよかったようです。

    いうまでもありませんが、ハイスピード用の光源にはフリッカーが発生するものは使えません。水泳競技など屋内スポーツのスロー映像が盛大にちらついているのも、照明のせいです。その点、LEDはフリッカーの心配は皆無です。

    ただし、電球型LEDライトはNGのようです。何故でしょう?840ルーメンのものを1つ試してみたのですが、明るさがちらついてダメでした。

  • Photron FASTCAMによるウルトラスロー映像

    今年6月にPhotronFASTCAM SA2で撮影した映像より、YouTubeに一部アップしました。

    今月初めに撮影した映像についても、ようやく編集作業が終了。
    今日は、サンプルDVD及びBlu-rayを作成し、Photron社、そしていつもお世話になっているHさんあてに送る準備が整いホッと一安心。

  • GH2のハッキング

    海外でGH2のファームウェアのハッキングに成功したニュースにちょっと前からグラグラ来ておりました。

    GH2は1920×1080ピクセルのフルHDで60i撮影できる初のデジタル一眼カメラで、私も早速飛びついたわけですが、やや抑え気味のスペックに少々残念に思っておりました。24Pですと24Mbpsとまあまあのスペックですが、60iは17Mbps・・・。EOS Kissだって40Mbpsオーバーだというのに・・・もっとも方式がAVCHDで違うわけですが、そんながっかり感からか、撮影した映像が何だか薄っぺらに見えてきます。そこに福音のようなハッキング成功のニュース。

    メーカーとしては有り難くない事に違いありません。でも、メーカーはファームウェアをアップして撮影画質を上げることなど考えてはくれないでしょう。そのスペックアップは、きっと新機種に盛り込むところと思います。

    GH2はそのままでも素晴らしいカメラですが、本当の実力をまだ引き出せていないとしたら・・・?私はちょっと冒険してみることにしました。

    大事な撮影が一段落ついたところでGO!
    BootcampによりMacbookでWindowsXPを立ちあげ、PToolをセッティング、自分だけのファームウェアを作成。
    GH2に読み込ませます。FSH(デフォルト17Mbps)を42Mbpsに、SH(デフォルト13Mbps)も35Mbpsへ一気にアップ!

    感度800で、LEDライトをつけての撮影。モデルは庭で見つけたルリタテハの幼虫です。
    ライトの効果でコントラストが上がり、まるでストロボで撮影した写真が動き出したかのような映像になっています。暗部のノイズはそれなりにありますが、なんというか、あまり汚い感じがしません。

    同じ16GBのSDカードでハッキング前には2時間近く録れていたのが、ハッキング後は40分程度になりました。データが重くなったのは確かです。正直なところ、劇的によくなったように見えませんが、悪くなったところもありません。Macに取り込みFinalcut ProⅩで簡単な編集などやってみましたが、今のところ、困ったことは起きていません。
    しばらく様子を見てみたいと思います。

    ハッキングについては、以下のサイトにお世話になりました。
    http://www.personal-view.com/talks/discussion/666/ptool-v3.62d-topic/p1
    http://www.zeroplusplus.com/updated-42-mbps-gh2-ptool-v3-62d-patch-visual-instructions/

  • アブラゼミの産卵

    毎年の事のように、お盆を過ぎるとアブラゼミをよく撮っていないことに気づき焦ります。
    特にまずいのが、鳴いているアブラゼミの映像にろくなものがないこと。

    GH2にマクロ150mmをつけ、近所の公園に出てみました。

    鳴いているもの優先にと思ったのですが、まず目に入ったのが産卵中の雌です。
    これはラッキー!数の多いアブラゼミでも、産卵シーンはそう見られるものではありません。


    産卵管は相当固そうです。そうでなければ、こう何度も何度も枯れ枝を突き刺すことはできないでしょう。また、腹端の動きは実に躍動的で、鳴くこともない大人しい雌のイメージとはまるで別物!!

    これは全く動画向きなシーンです。動画だとすぐに理解できますが、写真だけでは正しく伝わりにくいはず。。。
    実際に産卵シーンを見るまでは、私も子供の頃に図鑑で見た絵や写真から、ただとまって産卵管を刺してジッと大人しくしている姿しか想像できませんでした。

    次はアブラゼミの鳴くシーン。
    残念ながら音声は同録ではありません。

    GH2の内蔵マイクではアブラゼミの鳴き声は対応不可。レベルを最小まで絞っても、ヒドイひずみが出てしまいます。
    それで外部マイクで別録音ということになりますが、コンデンサーマイクではどうしてもひずみがちですので、ダイナミックマイクで録音したものを使います。
    1人での撮影では同録も難しく、全く別のタイミングで録音した音声を編集上で合わせました。
    結果は良好。不自然な感じはなく満足のいくものができました。

    ただし、これはアブラゼミだからできるワザで、ミンミンゼミやヒグラシなど、鳴く時にお腹を大きく動かすセミでは使えません。

  • ミンミンゼミ

    お盆のお墓まりに山形の実家に行ってきました。
    ついでに庄内には少ないミンミンゼミの撮影をやってきました。

    ですが、150マクロにビデオ一脚のみというお気軽スタイルでは、ブレが酷くてNGでした。
    結構頑張ったのですが、暑さで頭もふらふら、いつもの調子もでません。
    新しいFinalcut ProⅩの実力テストと思い、編集上で手ぶれ補正をかけてみましたが、元が酷ければやはり補正は不可能でした。

  • 昆虫酒場

    今さらではありますが、山形にもこんな樹液の虫が豊富な光景があったんですねえ。子供の頃から夢見ていた光景を、ようやく目にすることができました。

    もちろん、条件さえそろえば日本全国どこだって絵に描いたような昆虫酒場ができるはずです。たぶん自然状態では難しい事で、やはり人の手によって手入れされた林であることが重要そうです。

    この場所は、昨年から時々訪れていた場所でした。永幡さんに教えてもらったときには、「うわっ、そこですかあ」などと負け惜しみのような声をもらしてしまいました。

    でも、本当に悔しかったのは、時期が一月遅かったこと。
    そうでなかったら、羽化したてのオオムラサキを思う存分に撮影できたはず。。。

    7月末で連載を終了した山形新聞の「やまがた昆虫図鑑」の最後を締めくくったオオムラサキも満足のいく画像にできたかも知れないなあ。

    まあ、これはもう来年です。・・・来年に期待しましょう。写真もビデオもたくさん狙います。

    とにかく多いのがカナブン。アオカナブンは一匹のみでクロカナブンも少なかったです。 
    オオスズメバチ相手にはまるで勝ち目がないカナブンも、コガタスズメバチとは同レベルのようです。
    執ような攻撃に耐えて樹液をなめ続けております。

    昼間っからカブトムシ・・・というより、昨晩からの居残り組でしょうか。
      
    右のオオムラサキ、またしても画面中央にとらえられませんでした!!

  • ルリボシカミキリ

    昨年の夏に見つけた貯木場。ちょうど大好きなルリボシカミキリのシーズンで、まとまった数を見ることができて大喜びしました。

    今年は新たな薪が増え、ルリボシカミキリも10匹ほど見ることができました。

    ここの持ち主にご挨拶したいところなのですが、いつも誰もいませんし、もちろん所有者を示す看板があるわけでもなく、いまだその機会がありません。

    怪しいヤツめ、ここで何をしとる・・・と怒られるのも、ご挨拶のきっかけになるので、全然嬉しいんですけど。。。

    さてルリボシカミキリ、貯木場に集まるのは産卵のためです。
    雌は産卵に適した薪を探し、雄は雌を求めて歩き回ります。

    雌は雄より一回り大きく、随分貫禄があります。
    まるでその気のない雌に懸命にしがみつこうとしている雄は何とも滑稽で、ますます小さく感じました。

    いやいや、彼も必死なわけですから、そんな事言っちゃいけません。

    産卵中の雌。薪の割れ目に、産卵管を差し込んでいます。
     

  • ヨツスジハナカミキリ

    ルリボシカミキリのいた貯木場には、ヨツスジハナカミキリも産卵に来ていました。
     
    GX-200では小さくしか撮れなかった飛翔シーン。
    アカハナカミキリもそうですが、バンザイスタイルでない、後ろ手な感じの姿勢が面白いです。

    一匹だけ見つけたシロヒゲナガゾウムシ。残念ながら雌でした。

    雄は異常に長い触角が特徴で、それゆえこの名前があります。
    きっと雄もここにやってきているはず。
    これから注意して見ていきたいと思います。

  • ハナダカバチ

    タマムシを実はいくつかモデルさんに連れ帰ろうと企んでいたワタクシ。
    このまま手ぶらでは帰れないと、柏崎に残り、25日は朝から動くことにしました。

    午前中はしばらく天気が悪く、これじゃタマムシも動かないと少々くさっていたのですが、たくさんのハチの羽音が耳に入ってきて急きょ別モードに切り換えです。
    羽音は公園の砂場から聞こえてきました。あまり遊ぶ子供もいないらしく草ぼうぼうな砂場。
    そこに群れていたのがハナダカバチです。

    実は私はハナダカバチとまともに向き合った経験がありません。
    でも、昆虫の映像を子供の頃からテレビで見まくっていた私は、すぐにそうとわかりました。

    なるほどこれか、これがハナダカバチか・・・

    山形でも単体なら写真に撮ったことはあります。でも、ここで見るようなコロニーができていたわけじゃありません。今日見るこれこそ、ハナダカバチと思いました。

     

    たくさんブンブン飛んでいるのは、ほとんど雄のようで、たまに獲物を運んで帰ってくる雌に、わっと近づいて行くのが見られました。

    なので、広く見ていると獲物を持った雌が来たことが、そんな動きからもわかります。
    ただし、獲物を運ぶ込むのが実に早い!早いヤツは、ハキリバチのようにすっと入っていきます。
    仕方がないので巣穴に入る前にちょいと脅かし時間稼ぎをする作戦に出ましたが、間に合わない事の方が多かったです。

     

    獲物は、オオハナアブ、キンバエ、それとヤマトアブらしき大きなアブをかかえてくるのも何度か見ました。

     

     

    まずビデオを撮影することにしたため、写真は少なめ。
    後で確認したら、こんなに少なかったかと焦ってしまいました。

    タマムシを採集する目的を果たし、山形に帰る時間も考えなければならないので仕方がありませんでした。。。
    庄内とはだいぶ違って、柏崎には見るものがたくさんあります。
    以前より色々ご縁のある土地ですが、これからもお世話になります!

    動画追加 8月31日

  • タマムシ

    前日から、田中博さんの写真展オープニングに合わせて、柏崎へ。

    24日は午後から田中さん、海野さんの講演会があり、午前中は、海野さんと新潟の中矢さんと3人でタマムシ探しに歩きまわりました。

    山形では大珍品なタマムシですが、ここでは割と普通に見られるとのこと。
    季節もいいはずで、博物館の佐藤さんにアドバイスをいただきながら、いかにもいそうなサクラ、エノキの大木を見てまわりました。

    最初は曇りがちでしたが、そのうち日差しが強くなって汗ばんできました。
    でも、人が暑さで参っちゃうくらいな天気の方が、タマムシ探しには好都合です。
    我々の期待も高まってきたところで、ようやく1匹目を確認。

    その後、何カ所かでサクラやエノキの梢を飛ぶタマムシを見ることができました。

      

     

     

     

     

  • 高速ストロボ撮影

    夏に機械いじりしている場合ではないと思いながら、室内にこもって、アルミ板を切ったり、ねじ穴を開けたり、ハンダ付けしたりの作業をしておりました。

    高速度ビデオ映像の撮影をしながら、ずっと気になっていたのは、しばらく足踏み状態が続いている高速ストロボによる瞬間撮影。
    これこそ自分にとっては急務なのですが、そのためには準備が必要でした。

    ようやく目標の形が整って、撮影できそうな体勢が整ったところです。
    センサーを働かせて自動シャッターを作動させるまでは、3年前でもできていましたが、1枚撮影して次の撮影に移るのがとても大変でした。

    改良点は、撮影セットのシステム化です。センサー、ストロボの支持具を私なりの経験から作ってみました。
    こんなことが、結構重要なことと思っています。

     さっそくテスト撮影をしてみました。

    だいぶトリミングしないと使えない画像が多いのですが、以前より確かに効率が良くなってきたと思います。

    上はシロテンハナムグリ、左はセマダラコガネ。

  • 津波被災地での出あい

    宮城県の津波被害が甚大だった地域への不定期訪問も、4月末よりこれで5回目。
    今日も早朝に1時間、(日中は災害ボランティア活動に参加)、夕方2時間少々、生きものたちの様子を見てきました。

    4月に最初に訪れた時は、水路沿いのアシの芽吹きに驚きながらも、正直、しばらくは緑の復活は期待できないと思いました。まして生きものたちの復活など、数年かかるのではとも。

    とんでもありませんでした。
    今回もヒヌマイトトンボを探す過程で、たくましい生きものたちの姿を見ることができました。

    まだまだ幼体ですがナガコガネグモがいくつか見られました。
    コガネグモがいてもよさそうですが、こちらは一匹も見ませんでした。

    前者は卵のうで越冬ですが、後者は幼体で越冬です。
    その差が出たのでしょうか。

    他所から移動してきたことも考えられます。

    クモはごく小さな幼体の頃、まるで凧のように糸を風に乗せ、長距離を飛ぶことができます。もしかしたら、津波の被害のなかった土地から移動してきたものかも知れません。

     

     

     

    カマキリは2週間でだいぶ大きくなっていました。

    アシ原の下にたまったヘドロのあたりには、おびただしい数の小さなハエがいますし、アシに着くアブラムシも相変わらずスゴイ!

    最近は、イナゴやササキリの幼虫も増えてきたようです。
    食べるものにはまったく困らないでしょう。

     

     

    先日幼虫を撮影したヒメギスは、すでに成虫が鳴き始めています。
    姿は見せませんでしたが、鳴き声で存在がわかるのでありがたいです。

    間もなく、ササキリのなかまも加わるでしょう。
    終齢幼虫と思われる、翅芽の大きく成長した幼虫が数多く見られました。

    すぐに葉裏にまわりこんで隠れてしまうので、うまく写真に残せませんでしたが
    1枚だけ。。。

    テントウムシは相変わらずのすごい数。クサカゲロウやヒラタアブの幼虫も同様です。

    捕食者が増えて、少しアブラムシの勢いが減ったようにも感じました。

     

    それにしても、緑が増えてきました。
    思いがけず元気な姿を見せてくれる小さな植物たちに、野生種・園芸種 関係なく、感激しました。

    ツユクサ、ミソハギ、ヒャクニチソウ

    グラジオラスも元気!

  • 津波被災地のアオイトトンボ

    ヒヌマイトトンボの生息地に行ってきました。

    永幡さんがすでに同じ宮城県でヒヌマイトトンボの生存を確認していて、私も4月より通っているこの地でぜひ確認したいと思っています。

    しかし、結果を言えば今回も出会いは無しでした。
    朝に1時間、午後から2時間探し続けましたが、残念な結果に終わりました。

    風は少なく、天気もよく、コンディションは上々です。一匹でも確認できればと思ったのですが、力及ばず・・・。

    永幡さんの発見もありましたので、私はこの場でも生き残っていたものがいたと強く信じています。何しろ広いアシ原ですから、当然見落としはありますから。

    そんななかで意外な生き残りを多数発見しておりました。それが表題のアオイトトンボです。

    例によって、たっぷりのアブラムシと格闘しながらアシ原をかき分けていくと、アオイトトンボが次々に飛び立つポイントがありました。

    最初はもちろん、アオイトトンボが生き残っていたことに感激しましたが、たびたびの登場に、なんだまたアオイトトンボかと失望の対象となってしまったのはおかしな事でした。

    鮮やかな緑の輝きは、津波のヘドロにまみれた土地に生まれたことを全く感じさせません。

    普通種でありますが、大変美しいトンボです。 華奢なトンボに見えるかも知れませんが、正真正銘、あの恐ろしい津波の襲来を耐えて生き残った、ものすごいタフな連中です。

    こんな風に書きますと、そうじゃないんじゃないか、津波の害のないところで羽化して飛んできたんじゃないのか、とおっしゃる方もいるでしょう。

    私も最初はそう思いました。
    あまりに数が多すぎたからです。

    アオイトトンボは池や水たまりに育つもの。
    無事な水たまりがあったとしたら、それは津波の被害のなかった、さらに1km以上海から離れたところに違いないと思いました。

    しかし、歩きまわっているうちに、すぐ近くで驚くべき水たまりに出くわします。

    まさか、まさか、こんなハス池がこの土地に復活しているとは・・・。

     



    そして、そのハスの茎に、アオイトトンボのものらしきヤゴの抜け殻を複数発見。
    ここから発生したものなのでしょう!
    ハスもアオイトトンボも津波に打ち勝ったのです!


    すぐ近くにオツネントンボも一匹見つけました。

    !!・・・抜け殻はオツネントンボなのかな?

  • カブトムシ

    カブトムシを探そうと思えば、さほど苦労することはありません。

    初めての土地では多少の苦労があるものですが、次第にカブトムシなんてどこにでもいるだろう的、余裕が出てきます。

    でも、庄内では最初から苦労はありませんでした。
    クヌギはなく、手入れされた雑木林も少ないので、川原のヤナギに注目したところ、すぐに相当な数に出あうことになりました。

    今年もそろそろシーズンに入っております。
    この日見つけたカブトは、日中から樹液に3匹もかたまっていました。

    雌が一匹、雄が二匹。
    大きな雄は雌を大事にかかえて仲良さそうにしている所に、小さな一匹が邪魔に入ろうとしています。

    全然勝負にならない戦いを、何度も何度も挑んでおりました。

    ノコギリクワガタの立派な雄もおりました。
    右前脚の附節から先が無くなっているのは、激しい闘いの結果でしょう。

  • ウラジロミドリシジミ

    先日とはまた別のカシワ林でウラジロミドリシジミを見ました。

    雌一匹のみ、産卵場所を探して歩きまわっていました。

  • オオムラサキ

    今となっては、小諸ではオオムラサキは撮影のチャンスが多かったと思います。

    山形に戻ってからは、姿は見るものの、樹幹でテリトリー争いをしているものを見る程度で、とまる場所が高いのでうまく写せません。

    今日も、山形市のS山で同じ状態に陥りました。もっとも低い場所に陣どった雄を狙いをつけましたが、3m以上の高さがあります。

    でも、今年はちょっと作戦があります。

    一脚の先に、GX200をセットし、10秒のセルフタイマーを使用します。フォーカスはマニュアルでノーファインダーによる撮影です。