
8月は結局一度もボランティア活動に参加しないまま、31日をむかえてしまいました。
空いた時間とボランティアのニーズがかみ合わず、といっても、このままでは気になるいつものポイントの環境の変化も見ないまま。。。これではいけない!
特に気になるのが秋の鳴く虫です。
被災前にどんな虫たちが鳴いていたのかも知りません。
でも、少なくとも、津波をかぶった頃は卵だった直翅類が成虫にまで育った様子を確認したいと思いました。
トンボは見落としてしまえばそれまでですが、鳴く虫なら耳をすませてその場に立っていれば、生き残っている種類がわかります。調査しやすい対象と思います。
日没の時間に合わせて現地に向かいました。
そこで山形の永幡さんと合流。
いまだ幹線道路沿いの外灯も復帰しない闇の中、降るような星空のもとで虫さがしを開始しました。
1ヶ所目に聞いた鳴く虫の声
カンタン、ハヤシノウマオイ、ヒメクサキリ、セスジツユムシ、エンマコオロギ、(ハラ?)オカメコオロギ、ツヅレサセコオロギ、ミツカドコオロギ、オナガササキリ、ウスイロササキリ、マダラスズ、シバスズ?
写真はカンタンとセスジツユムシ
録音した音は、ずいぶん久しぶりにPodcastにアップしました。>>>http://itunes.apple.com/podcast/id202445955
(1)の方です。
種類数は十分と思いますが、やっぱり絶対数は少なく感じました。
夜空の満点の星のように、圧倒されるようなボリューム感を期待したのですが、私の予想はかなり甘かった。。。
7月にカマキリやヒメギス、イナゴなどの幼虫を次々に見つけていたので、卵越冬のもの達は案外強いんだと早合点してしまったようです。
あれだけの津波被害を見ていて、どうかしていました。
ところで、スズムシもいてもいいはずだけど・・・すると永幡さんが、先程までいた場所でそれらしき声を聞いていたとのことで、そちらに向かうことにしました。
その移動中にもスズムシの声は聞こえ始め、目的のポイントも美しい鳴き声につつまれていました。

LEDライトで鳴き声のする方を照らしてハッとしました。
そこには鉄筋コンクリートのがれきが山のように積まれていたのです。
スズムシはよく伐採木を積んだような場所にまとまっていたりしますから、確かに好みそうな環境ですが、夜の闇に突然現れたがれきの山に衝撃を受けました。
海岸がすぐ側のこの土地では建物は全て流され、多くの人命も奪われたとのこと。
何も残っていない真っ平らな地面を前に、かつての様子を想像することもできません。

もし自分が無念な気持ちを残して死んでしまったとしたら、私の魂は夜の虫の音を聞くことができるだろうか。
スズムシのやさしい音色は、どう耳に響くだろう。
悔しさがこみ上げてくるだろうか、美しい音色に心を委ねるだろうか。
どうせなら、うるさいくらいに賑やかな声でやって欲しいのではないか。。。
鳴いてはいるものの、数は少なめでやっぱりちょっと寂しく思いました。8月末は、もっとも数の多くなる時期と思います。エサ不足で成長が遅れている可能性もあるでしょうか?
スズムシの声はリンク先の(2)の方です。>>>http://itunes.apple.com/podcast/id202445955
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