庭に多いコカマキリが普段気づきにくいのは、地表付近の低いところにくらしているからですが、
加えて、やはり地味な姿が周りの環境によくとけ込むからなのでしょう。
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ハイイロチョッキリのどんぐり
半月前に、山形に来てからハイイロチョッキリのどんぐりを見ない、などと書いていますが、
とんでもありません。普通に多いことがその後わかってきました。
要するに、ちゃんと見ていなかったということです。
小諸にいる頃は、毎日の通勤で林の道を行き来していましたから、苦もなく目に入ってきたわけですが、
それにしてもヒドイなあと思いました。
注意して見ていると、いたるところに落ちています。特に山あいには多く、海岸近くの林にも普通に見られます。
ハイイロチョッキリのどんぐり とは私の造語です。
ハイイロチョッキリは、ドングリに卵を産み、枝ごと切り落とす習性があります。
この枝ごと切り落とされたドングリをしめす言葉は特にないようですので、仮にハイイロチョッキリのドングリと呼んでみます。
お盆頃からの産卵期には、コナラやクヌギなどの木の下を探すと、こんなハイイロチョッキリのドングリがたくさん落ちています。
ただし、虫は木の高いところで作業していることが多いので、滅多に見ることはありません。 -
アオイトトンボ
アオイトトンボは普通種で、山の水辺を見てまわるとどこにでもいる感じです。でも、毎年、このトンボの美しさにはハッとさせられて同じような写真を撮ってしまいます。
希少種のコバネアオイトトンボじゃないか、などと思ってしまうこともあるのですが、どういうわけか前年に感激した記憶がリセットされ、特別なものを見たような気になってしまうのです。
今年もまたやってしまいました。
白い粉を吹くのはアオイトトンボの雄の特徴。
複眼の青は何度見ても綺麗です。近くに多かったキイトトンボ。これも真夏によく見る普通種です。
クロイトトンボ。これも普通種で、かなり地味なイトトンボです。
そう思っているためか、ろくな写真が撮れていません。いざという時に困るはず。
アオイトトンボと争うように目の前にとまってくれました。
いい機会をもらいました。。。 -
ハグロトンボ
一昨年だったか、荘内日報で鶴岡市街地にハグロトンボが50年ぶりに帰ってきたという記事を見て、
非常に驚いたことを思い出します。
ハグロトンボは小諸では全くの普通種でしたから「50年ぶり」の復活なんて・・・
すぐには信じられませんでした。
でも、何人か虫に詳しい地元の方たちに聞いてみると、どうも事実のようです。今は、私も確かにそうだったのだろうと思えるようになってきました。
庄内は日本一だった時代もある米どころ。新しい農業技術は積極的に取り入れてきた土地です。
早くからコンクリート堰が発達し、農薬の使用も積極的だったでしょう。
現在、水生昆虫を求めて庄内平野を見てまわると、それはもう寂しいばかりです。
ハグロトンボが一時消えたとしても、当然だったかもしれません。 -
クロアナバチ
朝から例の公園にクロアナバチの撮影に出ました。
この日は何となくポンポン進む予感がして、ビデオ撮影をもやってしまおうと計画しました。これがクロアナバチの巣穴の盛り土。
公園なので土を敷かれていますが砂地がすぐ下にあるようです。
ここは庄内砂丘のど真ん中。ちょっと掘れば深い砂の層にぶつかります。
クロアナバチの巣穴。
左右に掘られた偽穴の間に本穴があります。
狩りにでかけている間は、かるく土を被せられ本穴の入り口は隠されています。
そしてようやく撮れた、獲物を運ぶクロアナバチ。
獲物はヒメクサキリです。
こんなに大きな獲物を抱えているのですから、きっとジガバチのように獲物をよたよた引きずって
長く地面を歩きまわるんだろうと、間違った予想をしておりました(←ちゃんと予習しましょう!)。
ところが、彼らは上空からスッと巣穴の前に飛び降りてくるのでした。それがすごくカッコイイのです!
でも、この瞬間はあまりに突然のこと。
この日何度か目にしたものの、結局、写真もビデオも撮れず終いでした。さて、続いては獲物を埋める連続写真を。獲物はセスジツユムシです。
獲物を地面に置くと、すぐに本穴の入り口を掘り始めました。
10時21分45秒穴は1分ほどで通って、その後何度か出たり入ったり。
巣部屋の掃除でしょうか?
10時23分20秒でも、すぐに獲物を引き込みにかかります。
10時23分26秒獲物を引き込むと、今度は穴の入り口をふさぎます。
まずは前脚で土をかき集めて後方に送り・・・
10時26分05秒向きを変えて、前脚を今度は土を押し込むのに使います。
よいしょよいしょと、とっても愛らしい後ろ姿。
10時26分06秒穴を埋め終えると、すぐに飛び去っていきました。
新たな狩りに出かけたのでしょう。
獲物を持って巣穴の前に降り立ってから5分ほどで全ての作業を終了。
この5分という作業の短さがクロアナバチを見えにくくしています。まとまった数がいると、とても撮影しやすいカリバチと思います。
午前中の数時間で、随分色んなシーンが撮れました。こちらは引き込むシーンだけ撮れたものです。獲物はヒメクサキリ。
ところで、この公園にはすごく気になる鳥の姿がありました。
ハクセキレイでしょうか。私が撮影を続けていた3時間の間、ずっと公園から離れませんでした。
どうもクロアナバチの獲物をくすねようとウロウロしているように思えてなりません。
実は一度、スズメだったのですが、何か緑色の虫をくわえて地面から飛び去ったのを見ました。
あっと思い近づいたら、そこにはどこか落ち着きを失ったようなクロアナバチの姿が。
これはやられたに違いないと思いました。動画追加 (2010年9月23日)
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クロアナバチとの出会い
ようやく、私もクロアナバチを撮影!
永幡さんは既に狩りの場面も撮影済みです(>>>)。色々情報をわけてもらいながら、でも、私も新規のポイントを開拓しようと、ちょっと離れたところを探してまわりました。
結果、なかなか良いポイントを発見できました。
普通に住宅地の中にある公園です。どういう流れの中なのか、熱心に穴掘り作業中。
前脚と口で砂のかたまりをホールドして、巣穴から後ずさりで出てきたところです。
ハチと巣穴をセットで見てようやく確信を持ちましたが、これまで見ていた「らしき穴」はやはりクロアナバチのものでした。
今日は午後でしたが、雨上がりを探したのがよかったようです。
少なくとも5匹、穴を掘っているものを見ることができました。ただし、獲物のツユムシを運んでくるところを見ることはできませんでした。
次は午前中に訪れてみようと思います。 -
クジャクチョウ
山形の実家にお盆のお墓参りに行ってきました。
長野に住んでいたときは帰省に片道400キロで車で7時間の距離でしたが、
いやいや近くなりました。今や帰省とは大げさに感じてしまう距離です。ついでに、蔵王を少しまわってきました。
目当てはアサギマダラにクジャクチョウ。話に聞いてはいましたが、確かに多かったです。
小諸にいた頃の湯の丸高原を思い出す密度でした。
ヨツバヒヨドリもクジャクチョウもピークは過ぎた感があります。
来年は、8月の始めに訪れてみようと思います。
アサギマダラは少々翅が傷んでいても、あまりボロ感がありません。実に清々しいチョウです。
清々しいといえば、下界は酷暑の中というのにここは何と涼しいこと!
まるで別世界でした。おっと、この子は!
「AYA16」とくっきり読めます。
前翅には「ZAO」の文字・・・どうやらマーキングされて間もないようですね。
どこか遠くで再発見されるのを私も祈りましょう。 -
ハイイロチョッキリか?
コナラかナラガシワか判別できないままですが、そこに実に面白いものを見つけました。
ところどころ枯れたようになっている部分です。
何気なく見ていてドキンとしました。これはもしやハイイロチョッキリの仕業じゃないでしょうか?
1つアップにします。
コナラやクヌギの実に卵を産み、その実のついた枝ごと切り落とすハイイロチョッキリの習性は、
今やあまりに有名です。私も小諸時代は毎年、お盆前あたりから道路にたくさん落ちているのを見ていました。
しかし山形に戻ってきてから、道路におちたものを見ていません。
(追記)
とんでもない間違いです。ただちゃんと見ていなかっただけでした。
ハイイロチョッキリのドングリは、その後、方々で多数見かけることになりました。。。庄内にはいないんだろうと思いかけていましたが、これを見ると・・・
小諸ではオトシブミはほとんど切り落としていましたが、庄内ではサワグルミで巻くものはほとんど切り落としません。理由はわかりませんが、ハイイロチョッキリにも共通の理由があるのかも知れません。
でも、まずは虫自体を確認できないことには始まりません。
数日中に同じ場所をまた探してみたいと思います。 -
ヒロバネカンタン
夜の浜辺にヒロバネカンタンの声を聞く。。。
なんと贅沢な音空間でしょう。しばし寝転んで、そこにただ浸ってみました。
何か良好な脳内物質が放出されたようで、ここしばらくで最もハッピーな気持ちになったかも。
波の音もバランスよく、遠くでロケット花火に興じる少年たちの騒ぎすら耳に心地よく。こいつはもったいない。
しばしサボりまくっている音集めを再開しなければと思った瞬間でした。鳴いているヒロバネカンタン。
なんと美しい虫でしょう。
繊細なガラス細工のような・・・このうす緑色もたまりません!
LEDライトを当ててみても、この美しさはわかりません。
これはもう写真を撮るものだけの楽しみでしょう。 -
シロスジコガネ
先日、昼の砂浜を歩いたとき、ずいぶんたくさんシロスジコガネの死骸が転がっていました。無傷なところをみると、暑さで死んだのではと思われました。
いずれにしても、そこでたくさん飛びまわっているのは間違いありません。日没後の浜辺を歩いてみました。薄暮の中でまず活発に飛びはじめたのはスズメガでした。
ぼんやりとながら数匹ハマゴウの花に来ているのが見えます。
花から花へ実にスピーディーに移っていきます。追いかけるのも大変でしたが、何とか1枚。
コスズメでしょうか。うかつにも、いつも携帯しているLEDライトを忘れてきてしまいました。ストロボMR-14のモデリングライトだけが頼りですが、シロスジコガネは歩くのが早い早い。。。
ちょっとピンぼけ。でも雄の触角が開きぎみで何ともカッコイイ。 -
飛島の観察会にて
連日の猛暑に不安を覚えつつ、飛島観察会当日を迎えました。
本日の受講生21名。朝8時45分酒田港発の定期船で飛島に行ってきました。飛島が近づいてきました。天気は最高! 風も少なく体感温度は・・・・
この写真「とびしま」二階の展望デッキから。
実は下見の回で、大きな間違いを書き込んでおります。
というのは、この二階展望デッキの存在にうかつにも気づかなかったのです。
前の定期船は階段より上は二等室だったかで入っていけない空間だった、その記憶が視野を狭くしておったのです。
さて、1時間20分の船旅で飛島に到着。ミンミンゼミの大合唱が迎えてくれました。
まずは港の遠賀見神社でミカドミンミンを探します。
よかった〜! うまく採集できて、皆さんに見てもらえました。
ミンミンゼミ自体もキレイですが、黒が抜けたこのミカドミンミンは更に美しい!午前中は海水浴場の先、海岸沿いの道を歩きました。
賽の河原、ローソク岩まで行って折り返し。
岩陰の涼しい空間があって、皆さんホッと一息。
ところで飛島の海水浴場は、水のキレイな本当にいいところです。
しかもこの通り人が少なくて周りに気をつかわなくても良さそうですね。
小学生の頃、叔母さんに連れてきてもらって、ヤドカリ集めに興じた一日が今も忘れられません。
予約していた港旅館さんでお昼をいただき、午後は鼻戸崎・巨木の森方面に向かいました。
先日の下見で見たあの光景を見るのが目的だったのですが、なんと既にイヌザンショウの花は終わっていました。
見事に一匹もおりません。2年前と比べると、だいぶ進んでいる感じがします。
やはり連日の猛暑がそうさせたのでしょう。
もっとも、ヤブガラシやノブドウの花に群れるアオスジアゲハは道中たくさん見ることができましたので、受講生の皆さんには満足していただけました。巨木の森を進む一行。
まだ14時前というのにヒグラシがにぎやかでした。
森の中は薄暗いとはいえ、ヒグラシの鳴くきっかけがまたよくわからなくなりました。
巨木の森を抜けた後は、小物忌神社をぬけて中村港に出るコースをとりました。
13時に港旅館を出発し、予定通り15時に勝浦港に戻ることができました。帰りの船では再び二階デッキへ。
冷房の効いた船内よりも、風にあたっている方が気持ちよく感じられました。
ありがとう!また来ます。