Kiyoaki Takashima/ 高嶋清明のBLOG

ミズイロオナガシジミの卵

OLYMPUSの古い20mmマクロにいつもより更に接写リングを80mmプラス。倍率は12倍ってところでしょうか。
画面の横幅は1.5mmほどで、ミズイロオナガシジミの卵も画面一杯になります。
残念なことに、マクロ20mmの性能の限界を超えてしまい、解像感はだいぶ落ちてしまいます。
もしかしたら、見た目は拡大されていても、8倍の時の解像度とさほど変わらないかも知れません。

0.01mmピッチでカメラを前後させフォーカスをずらしながら深度合成用の素材を撮影していきます。

ミズイロオナガ05

▲見れば見るほど美しい形。
この美しさは飾りではなく、8〜9ヶ月間もの長い卵の期間を乗りきる強さを備えた機能美なのです。
真夏の暑さ、真冬の寒さ、乾燥にも猛烈な風雨にも、物理的な衝撃にも耐える強さが、このカタチにはあります。
・・・だと思います。

今回はちょっと苦労しましたが、まずまずの結果が出ました。
深度合成のやり方を、改めて見直してみたのです。

いつもPhotoshopの「レイヤーを自動整列」「レイヤーを自動合成」で深度合成します。
この方法は、パソコンおまかせで、かなりなところまでやってくれますが、実は失敗も多いです。
悪くいえば、データを適当に処理して知らんふり。
よくよく見ればおかしな感じに作られていたり、肝心の部分が省略されていたりで、優等生に早く綺麗に処理してくれるのですが、やっぱり人の眼と手のようにはやってくれません。
ずっと気になっていて、修正する方法を探っていたのですが、ようやく見えてきました。


“ミズイロオナガシジミの卵” への4件のフィードバック
  1. 極楽蜻蛉

    「シジミ」の卵には何故こんなにギザギザ襞があるのでしょう?
    この辺に全天候対応の秘密が隠されているのかも知れません?
    上手い具合に撮れていますね! 流石~~~!!!

  2. 高嶋清明

    極楽蜻蛉さま、早速にありがとうございます。
    もしかしたら、その辺りのことご専門に近いでしょうか。
    金属でなくとも放熱フィンとしての働きはあるものでしょうか?
    たとえばプラスチックのような材質のフィンが放熱効果があるとすれば、昆虫の場合はクチクラでまた違うと思いますが、同様の効果が期待できると思いまして・・・いや、もちろん、そうした構造だと信じているんですけど(笑)
    防水や汚れがつきにくい効果もありそうですね。

    ・・・と今思いついたことをネットで調べると、樹脂製のヒートシンクの情報が色々引っかかってきました。LED照明用の樹脂製ヒートシンク、アルミ製より軽くて2割効果アップなどなど・・・なるほど〜

  3. 極楽蜻蛉

    「シジミチョウ」の事は専門でないので良く判りませんが、初夏、このような卵になり秋~冬と卵で過ごしているのであれば、思うに、おっしゃるように夏場対策の為の放熱板の働きをしているのだと思います。 当に、フィンでしょう!!!

    昆虫の体は非常によく出来ていて、寒さには非常に強い! 晩秋、蓄えた体脂肪:グリコーゲンはグリセリンになる! グリセリンは凍らないので生き永らえるという訳です。 多分、多くの越冬昆虫はこのように体質転換して厳しい冬を凌いでいる・・・
    「スズメバチ」の休眠女王蜂はこうして冬を越す事が出来る。。。働き蜂や雄蜂は体脂肪が殆ど無いので寒さと共に死んでいきます。 何億年という長い年月を掛け体質転換してきた知恵:技と言えるでしょう。
    「蝶」の仲間には、卵で休眠する種類、幼虫や成虫で休眠する種類、何れも兼ね備えている種類等居るようですが、不活性期の冬は、栄養分:体脂肪をグリセリンに返還させ超超微量消費で休眠という得意技により冬を乗り越えているのだと思います。 この場合、「シジミ」のフィンは、有っても無くても寒さ対策のグリセリンの働きにより関係ない事になります。
    と、言う訳で、多分、夏場対策の放熱の為のフィンではないでしょうか? 凄い知恵:技ですね!!!

  4. 高嶋清明

    ありがとうございます!
    お話お聞きできてよかったです。
    確かに、冬の間はあの形が温度に関してメリットになる部分はあっても少なそうですね。
    あらためて真夏の猛暑と今日のような厳しい寒さとを同じ姿で受けていることの過酷さを考えましたが、小さな昆虫たちの何と強靱なこと!
    我々人間は滅びるようなことがあっても、彼らはきっと乗り越えますね。

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