いつものように深度合成した画像を見た瞬間、何だか電子顕微鏡写真のようだと思いました。
やわらかいトップライト、そして真黒に落とした背景が効いているようです。
▲シロスジカミキリ。30枚のJPEG画像から深度合成。
電顕画像と深度合成。双方とも微細な被写体を通常あり得ないピントの深さでとらえられていて、見るものは一瞬スケール感が狂います。街並みを極端に浅いフォーカスでとらえたミニチュア風写真とは対極にある感覚。小さな昆虫たちが人間サイズ、あるいはそれ以上の巨大生物のようなボリュームで迫ってきます。異空間に飛び込んだような不思議な感覚・・・黒バックは更にその不思議感を演出してくれるようです。もちろん、場合によって背景は使い分けますが、しばらく黒を積極的に使っていきたいと思いました。
▲シロスジカミキリの前脚
すごく生々しくなって面白いのですが、虫が生きていないことが、ますます気になってきます。今こうして撮影している画像がまるで使い物にならない、使う気にならないものになるような気がして、手が止まりそうになります。「この毛が寝ているなんて、生きているうちはあり得ない」とか「生きているときの眼の色じゃない」とかの細かいレベルですが、眼をつぶっていられなくなるはず。でも、そうして色んな試みをやって、失敗して苦しんで、我々は知識を増やしていくわけでしょうから、まずはやってみろ、ってことですね。
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