Kiyoaki Takashima/ 高嶋清明のBLOG

カテゴリー: 昆虫

  • ヒメカマキリの卵

    あらためて探してみると、ヒメカマキリの卵はそこら中にあります。

    サクラの幹のくぼみに産みつけられた卵。古いものも見えます。

    同じ場所に新旧複数の卵のうがついているということは、ヒメカマキリが好んで産卵する条件が揃っていると見ていいのでしょう。


    卵のうは長さ2cmほど。地味で目立たないので気づきにくいのですが、その気になって探してみると、驚くほどたくさん見つかります。

    クロマツの幹にも見つかります。クロマツなんてシーズン中はまるで見ていませんでした。

    ところで垂直面に産みつけられた卵を見ていて違和感をおぼえました。
    勘です。全くの勘なのですが・・・
    ヒメカマキリは上を向いて産卵しているんじゃないでしょうか?
    何だかそんな風に見えます。これは秋に確認しなければ!

  • ガガンボダマシ

    おそらく前の冬にも撮影したイマニシガガンボダマシと思います。場所は前が月山山麓でしたが、今回は海辺に近い高館山の山中です。
    数日前では高館山もだいぶ雪がとけていましたが、再び厚く雪が積もりました。言うまでもありませんが、ガガンボダマシやクモガタガガンボは雪がなければ見つからない虫です。


    こちらは雌。腹端の尖った感じはクモガタガガンボに似ています。


    近くを歩いていたこの虫、上の雄と見て間違いないでしょう。不思議な事に、2kmほど歩いた中で見つけたのはこの2匹だけでした。それも、雪や風がやんだ短い時間の事で、まもなく雪にもぐって見えなくなってしまいました。

    そうか・・・彼らに会うチャンスというのは、短いわけです。雪にもぐってしまったりもするのだから。

    真横に吹く吹雪は、道に大きな吹き溜まりを作ります。

  • ウサギの足跡

    久しぶりの青空!でも、なかなか日がさしません。庄内の冬は、お日さまを見る時間が本当に少ないです。


    12月の大雪はだいぶとけました。あちこちに地面も見えます。これは鶴岡の街中の様子。

    ところが山の方に行くと様子が一変します。

    羽黒方面を走ると、車では行けない道ばかり。ちょっと歩きたいけれど、腰まで雪にうまって動けなくなります。ここはカンジキが必要な世界です。

    雪の上はウサギなどの獣の足跡がいっぱい。

    彼らは雪の上でも沈むことがありません。こんなところを比べても人間は生物としての能力が全くもって低い!雪の中でもがいている姿なんて恥ずかしいったらありません。


    おなじみのウサギの足跡。どっちに向かって歩いているかわかりますか?—————————-→奥に向かっています

    目的はクモガタガガンボでしたが、今日も一匹も見つかりませんでした。この冬はまだ一度も見ていません。トビムシやユキカワゲラは同じように歩いているのですが・・・。もうしかしたら、クモガタガガンボはもうシーズン終了なのかも知れません。去年も、1月のはじめ以降は全く見ないで終わりました。

    トビムシは昨年と同じように雪の上にたくさん見られます。

    迷彩柄のようなマルトビムシの一種。大きさは1mmほどです。

  • シミ

    酒田のAさんにご協力をいただいてシミを撮影しました。この時期シミも活動を停止していて、畳をあけるとたいてい下に隠れているとのこと。はたして・・・


    シミ確かにいました!体長は1cmほどです。実は私、シミをちゃんと見たのはこれがはじめて。でも、ちゃんと見ようとしなかっただけで身近にたくさんいるはずです。シミというと古本を食っているイメージが強いのですが、古本だけさがして「いないのかなあ」なんて言っていたとは、我ながら愚かでした。。。


    腹端の第10節が長いところからセイヨウシミと判断しました。頭部、前胸、中胸、後胸、そして腹部とわかりやすい構造です。シミは無変態で成長する昆虫ですので、幼虫も成虫も形は同じ。


    全身、鱗粉におおわれて綺麗に輝きます。うろこにおおわれて素速く走る姿が魚を連想させたのか、シミは漢字でかくと紙魚。英語だとなんとsilver fish。book wormともいいます。


    口ひげは他の昆虫には見ないようなもの。何だかムカデを思わせます。

  • キノカワガ

    そのまま鶴岡に戻るのはもったいないと、富岡、安中、高崎周辺をまわってみました。小諸時代にはよく足をのばした土地で、どこにいけば何が撮れそうか勝手がわかっているつもりだったのですが、午前中だけでは成果は少なく帰路につくことに。。。
    最低、見つけたいと思っていたキノカワガはこの一匹のみ。樹皮によくマッチしているかというとそうでもなく、もっとも、それゆえ見つけることもできたのでしょう。。。
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    難易度は低いです。すぐに見つかりました?

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    同じモデルさんでもう一枚。

    ところで、この投稿は関越道 赤城高原SAでアップしてます。
    行きは深夜だったためかFreespotに接続できませんでした。今はOKです。

  • ヨコヅナサシガメ

    このヨコヅナサシガメ、分布の北上が進んでいるとはよく聞きます。高崎周辺は10年くらい前によくまわっていましたが、ヨコヅナサシガメは気がつきませんでした。それが、何だか随分目に入ってきます。目立つ木の割れ目やうろの中にたいてい集団を作っているような・・・確かに勢力拡大中のようです。現在、最前線はどのあたりまで来ているのでしょう。気になります。
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    クヌギの幹の割れ目に集団を作っています。今の時期は全て幼虫です。

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    日があたって気温が上がってくると、歩きまわるものも見られました。

  • アケビコノハ

    埼玉県嵐山町で行われた第4回全国チョウ類保全シンポジウム(日本チョウ類保全協会主催)に行ってきました。そこで出会ったアケビコノハ。灯りの下の植え込みにとまっていました。
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    落ち葉が引っかかっているようです。

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    アップで見ても落ち葉的な質感は増すばかり。カキの葉に近いでしょうか。

    このアケビコノハは当日シンポジウムに集まったみなさんの人気者になっていました。夜になって「翅を開いていましたよ〜」との情報をいただいて飛んでいくと・・・
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    山折りに翅をたたんでいたものが、こんな感じに。後翅の黄色い模様も見えていてこれは滅多にないチャンス!
    (しかし、本当のシャッターチャンスはさらに10分後のこと。残念ながら逃してしまいました。。。)

    アケビコノハは成虫越冬。12月に入っても夜は活動するのです。勉強になりました。

  • ツマグロオオヨコバイ

    ツマグロオオヨコバイの飛翔ポーズは撮るには
    もう一工夫が必要のようです。
    数cmセンサーにかかるタイミングをずらした程度では
    進歩がありません。
    PC074627
    でも、時々こんなカワイイ姿も撮れるのでがんばってしまいます。

    これは一見OKのようですが
    PC074533
    前脚を広げていませんし、後脚はバレリーナ状態。
    まだジャンプ姿勢から飛行体勢に移っている途中なのです。これはもう何度も撮れています。この先を撮りたい。。。

    ところで、気になったのが後脚の毛
    PC074533*
    内側に並んだ毛。見るからに固そうです。
    この毛の役割は何なのだろう??

    でもすぐにその答えが見えました。
    葉の汁を吸っていた一匹が体の掃除をはじめたのです。そうかこれか?
    PC074896
    ツマグロオオヨコバイはよくこんな風に後脚で体をこするのです。体の掃除ばかりでなく、ロウ物質を全身に塗るときもこうします。このとき後脚のブラシは有効になるでしょう。

    何度もトライしているうちに、ツマグロオオヨコバイを飛ばせるコツも何となく分かってきました。ちょっと飛んだのちにセンサーにかかるようにすることも、不可能ではないかも知れない・・・また新たな作戦を練っています。

  • ツマグロオオヨコバイ

    高速撮影システムを使いやすいように組み直してみました。
    テスト撮影は庭のツマグロオオヨコバイ。
    まだヒメアオキの葉裏についています。

    PC034076
    撮影開始早々、見事に決まりました。
    珍しくトリミング無しに使える一枚です。
    ところが・・・よくよく見ると、あれれ?ブレているじゃないか!
    速度の限界か・・・
    おそらく飛び出し時の速度はかなりのものなのでしょう。

    PC034071
    こちらは高さいっぱいに縦位置にトリミングしたもの。
    すごくカッコよく決まっています。バレリーナみたいに。
    ブレがなければなあ。。。

    PC034101

    最初のジャンプのあと飛行体勢に入ります。
    ピントが外れてしまいましたが、一枚その姿をとらえたものがありました。
    前脚を前方に広げてキレイな形です。
    この体勢に入ったら、たぶん速度は落ちてブレもないはず。
    次はこれを徹底的に狙ってみます。

  • 科学ムービーご覧下さい

    かがくナビのムービーコーナー「科学ムービー」にコハクチョウを載せました。
    初投稿です。
    科学ムービーでは数々の貴重な映像をリストからご覧いただけます。
    特に湊和雄さんの沖縄の生きものたちは必見です。
    時々アップされていますのでご注目下さい。

  • ガロアムシの眼

    庄内に来て、はじめてガロアムシを探しました。さがすポイントを間違わなければ、割と見つけやすい昆虫かも知れません。15分ほどで4匹見つけることができました。

    さて、アップで撮影したガロアムシの顔です。
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    黒い小さな眼は複眼ではありますが、個眼の数は数十個といったところ。真っ暗な土の中にすむガロアムシの眼は、ほとんど退化したようなものです。全く眼が無い種類もいるとか。ところで採集したガロアムシは、種名ガロアムシでよいのか不明です。もし間違っているようでしたらコメントいただけると嬉しいです。

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    2本の尾は、ゴキブリやコオロギなどのように、感覚器官として重要な役割を持っていると思われます。

  • クロナガアリ

    クロナガアリが何か大きなものを運んでいます。
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    カエデの種?似てますが、これはマツの種です。
    カエデの種と同じように、くるくる回りながら風にのって遠くに撒布されます。
    松ぼっくりの鱗片のすき間から出ます。

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    主に植物の種を集めるクロナガアリの大アゴ。
    ペンチのような形で、大きな種もがっちりつかみます。

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    クロナガアリの巣の入り口。たくさんの働きアリで賑わっています。
    クロヤマアリもクロオオアリも越冬体勢に入りましたが、クロナガアリはまだまだ活動中です。

    今日の最高気温は10℃くらい。
    冬着だと暖かく感じられますが、午後にはちょっと肌寒くなってきました。

  • セグロアシナガバチ

    サクラの老木にセグロアシナガバチがとまっていました。
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    一枚の画面に収まらない広い範囲で8匹ほどです。
    大きくあいたうろで越冬中、気温が上がって外にでてきたという所でしょうか。
    アシナガバチの越冬シーンは、まだちゃんと見たことがありません。
    このうろの奥で1カ所に固まって越冬するんでしょうか。
    そう簡単にのぞけそうもありません。今回も無理か。。。

  • キタテハ

    枝に残ったカキには一匹もやってきません。
    地面に落ちたものには、うんと集まっています。
    一番多く集まっている実に張りついてみました。

    PB072759
    仲良く相手に気をつかいながら・・・なんてわけにはいきません。
    絶えず争っていて数は増えたり減ったり。一番多かったときで11匹でした。

    それにしても何だか雰囲気のでない写真。

    R0023129
    コンパクトデジカメの方がいい感じに写りました。
    でも今度は数の見えるアングルがとれません。
    なかなか難しいものです。

  • ヒメカマキリの擬死

    今年はずいぶんヒメカマキリを見ます。
    鶴岡の街中はどうかわかりませんが海沿いには少なくありません。

    PB072862
    カシワの葉の上で日光浴中

    ヒメカマキリの面白いのは危険がせまると自らジャンプして落ちる性格です。
    そして落ちた先では、まるで陸にあげた魚のように飛び跳ねています。
    脚を縮めてまわりの落ち葉や枝に似せようとしています。
    手のひらにのせてみました。

    PB072843
    触角をとても細かく震わせていて、そんな姿を見ていると
    マレーシアで見たハナカマキリやボクサーカマキリを思い出します。

  • カマバエの一種

    昨年は見つけることのできなかったカマバエですが、山あいの田んぼに数匹見つけることができました。
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    さて種類は何でしょう?
    ネットではミナミカマバエ(Ochthera circularis)が多く紹介されていて、写真のカマバエもそれかなあと思いますが・・・結局はっきりしたことがわかりません。

    調べたついでにメモします。日本ではカマバエは4種報告されています。それぞれの分布を九州大学の日本産昆虫データベースから調べてみました。ちなみに同DBには、いずれについても和名の記載はありません。

    ◎ミナミカマバエ(Ochthera circularis)分布:本州、四国、九州、宮古島、西表島、台湾、フィリピン、ジャワ、スリランカ
    ◎ヤマトカマバエ(Ochthera japonica)分布:北海道
    ◎カマキリバエ(Ochthera mantis)分布:北海道、本州、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、米国
    ◎和名?(Ochthera pilimana)分布:九州、台湾、インド、イスラエル、pacific area(環太平洋地域?)、オーストラリア、北アフリカ

    ちょっと古い情報で怪しいので打消し線を引いときます。今見るとミナミカマバエで間違いないようです。(2023/10/20)

  • テントウムシの移動

    あまり使われていなさそうな作業小屋。
    R0023017

    ここにテントウムシが多数集結していました。
    屋根のあたりに集中して歩いています。
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    越冬場所を探して移動中なのか、ここを越冬場所に選んで集結しているのか、見ているだけではわかりません。後日、改めて調べてみましょう。

    気温も上がって気持ちのいい1日でした。いたるところでテントウムシやカメムシの集団に会いました。うかつに車の窓を開けられないくらいでした。

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    紅葉は里にも下りてきました。

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    真っ赤に染まっているのはカエデのようです。

  • エゾゲンゴロウモドキ

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    県内某所で採集したエゾゲンゴロウモドキ。雄です。

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    こちらも雄。別個体です。

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    これは雌。雌は雄と比べて一回り小さく、はっきりした縦スジがあります。

    秋の池をイメージした水槽セットで撮影しました。ちょっとゴミが多く満足できていません。エゾゲンゴロウモドキは北海道と東北地方に生息するゲンゴロウです。希少種なうえに生息地は局所的。撮影を済ませたら、もとの池に放しに行きます。

  • ビロウドサシガメ

    砂浜近くの道を歩いていると、真っ赤なお腹のカメムシがもがいているのを見つけました。何でしょう。
    見たことのないカメムシです。
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    赤黒というと、毒虫に擬態しているのでしょうか。

    もとに戻ってもすぐに動きません。
    もがきすぎて疲れちゃったのでしょう。
    PA251652
    調べてみたところビロウドサシガメとわかりました。特に珍しいものではないようです。縁がなかっただけなのでしょう。

  • ヒメカマキリ

    昨年、とある公園のサクラ並木でヒメカマキリを見つけて喜んでおりましたが、今年も結局早い時期に見つけることができず、秋も深まってからの再開となりました。
    でも、今年は場所が違います。サクラよりずっと低いシャリンバイの植え込みで日向ぼっこしていました。結構まとまった数です。少なくとも5匹はいました。
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    あとで確認していて、上のもう一匹に気づきました。もっと引いて撮影しておけばよかったかな?

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    体長3cmほど。太めですが、バランスのいい可愛いカマキリです。

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    顔のアップ。小さいのでピントが浅くなってしまう。。。ガでも食べていたのか、細かい毛がついています。

    数日前、高館山の動植物についての小冊子「高館山の自然」(昭和56年)を見ていて、ハラビロカマキリの記述がありました。え〜!いるんだ!とにわかに盛り上がり、それでこの時期にいそうな場所はと気にしてまわっています。4年前の今頃、私は香川県にいて、日当たりのよい壁や常緑の葉の上でハラビロカマキリが多く日向ぼっこしていたのを思い出します(楽しかったなあ)。

    もちろん誤認の可能性も考えられます。たとえば「高館山の自然」にこのヒメカマキリの記載がなかったあたりで、もしや?と思ったりします。そして30年前の記録ですから、今とはだいぶ違うはずです。

    ※後日、山形昆虫同好会会誌29号(2000)の岡部光一さんの記事「カマキリ目の採集記録」を見ました。記事によると、岡部さんも「高館山の自然」のハラビロカマキリの記載に注目し、付近を調査されたけれど見つからなかったとのことです。
    岡部さんの記事には、庄内地方でのウスバカマキリについてもふれられていました。私はまだ見ていない種ですが、是非見つけてみたいと思っています。

    R0022991
    10/29追加