Kiyoaki Takashima/ 高嶋清明のBLOG

カテゴリー: 昆虫

  • ニホンセセリモドキのこと

    山形新聞で連載中の「やまがた昆虫図鑑」。
    おかげさまで好評をいただき、まもなく200回に届こうとしております。

    その中で、私は1つ大きなミスをやっていたことに最近気づきました。
    4月7日づけのニホンセセリモドキですが、ヘアペンシルを出しているのは「雌」として書いています。
    これが大きな間違いで、私はもうしばらく勘違いしながら、この虫を観察しておりました。
    正しくは「雄」です。
    多くのガが雌が性フェロモンを発する行動と同じように見てしまっていました。

    新聞紙面では訂正を入れることができませんので、まず、ここで訂正させていただきます。
    もちろん、書籍版の発刊の際には、正しく修正したものをお届けします。

  • 山形大昆虫展 開催

    「山形大昆虫展」開催中です!
    http://www.gassanasahi-hakubutsumura.co.jp/daikon/daikon.htm
    私も、虫の音展示に協力しています。

    展示期間は4月23日〜5月29日
    会場は、月山あさひ博物村内、文化創造館です。
    開館時間は9:00〜17:00
    入館料は大人700円子供450円幼児100円 同じチケットで、アマゾン自然館も見学できます。
    現地周辺の地図

     

     

    巨大な古民家風の文化創造館

    落ち着いた雰囲気の館内に、様々なブースが作られています。
    中央に並ぶガラスケースは生き虫展示。なかなか個性的な海外の珍しい虫たちが展示されています。これは必見!

     

     

     



    ウデムシ、タマヤスデ、カステルナウディツヤクワガタ、ホンコノハムシ、巨大ゴキブリなどなど

     



    県内で出土した昆虫の化石             庄内藩の家老にして博物学者 松森胤保の展示

     


    標本展示は、県内ばかりでなく外国種も       こちらは私担当の虫の音コーナー ミニシアター風です

  • モンシロチョウ

    山形に戻ってから、どうも毎年春はギフチョウに時間を使いすぎです。それで気がついたらモンシロチョウがナノハナで吸蜜する定番写真が全然無かったりして、これはいけません。

    ナノハナに吸蜜するモンシロチョウの写真を持っていないなんて、早くこの状況を打破しなくては!

    近所の川辺にナノハナが咲くのは、昨年はじめて気がつきました。今年はしっかり押さえたいと思います。

     

     

     

    その土手のナノハナも、そろそろ咲きはじめです。

    卵を産んでくれれば、ここの葉で飼育しながら成長も撮影しよう。
    そういう地道な、でも結構楽しい作業を復活させよう。

     

    やるべき事は本当にたくさんあります。
    秋を迎える頃に楽しく笑っていられるように、がんばろう!

     

  • いや〜ヒドイ!(笑)

    何となくコツがつかめた感じがして、しばらく頑張ってみましたが、あんまり散々な結果の連続に
    1人、山の中で笑っておりました。

    こうもはずしを連発できるのは、もはや1つの才能なんじゃないでしょうか。

    フレームに納まった唯一の1枚も、ギフチョウのポーズが今一つ。

    たまに神が降りてきたような奇跡が生まれることもありますが、この日は全くでした。

  • フキノトウの虫たち

    ニホンミツバチ、ビロウドツリアブ、ハナアブ、ハナバチ、ルリシジミ・・・
    様々な虫たちが吸蜜・花粉集めに集まっていました。

    パナGH2とシグマMacro150mmでの昆虫映像撮影は、今までにない楽しさがあります。
    50mmマクロ+1.4倍テレコンより、断然これ↑がいいと思いました。
    何より距離を取れるのが嬉しい!虫たちはこちらに気にしない自然な姿を見せてくれます。

    ただし、カメラと虫の距離が離れたことで問題が1つ出てきました。集音力の低下です。
    虫の羽音がないのがあまりに寂しすぎる・・・
    というわけで、Youtubeのオーディオ入れ替え機能を使ってみました。

    もちろん、ここは虫の羽音をしっかり入れてお見せしなければならないところです。
    でかくなりますが、ガンマイクは必須と思いました。

  • ハナバチの穴掘り

    体長1cmくらいのハナバチ。詳しい種名は不明です。
    固い粘土質の地面に穴を掘っていました。

    これから、土の中に複数の小部屋をつくり、花粉と蜜をつめて卵を産んでいくと思われます。


    Panasonic LUMIX GH2 SIGMA Macro150mmで撮影

  • ギフチョウ

    ようやく、今年初めてのギフチョウです。
    前日にはすでに見ていましたが、時間が悪くて飛んでばかり、1枚も撮影できませんでした。

    聞いた話ですが、今年、山形県内で最初のギフチョウ確認報告は、4月10日だったそうです。
    それから、5日経っていますが、本日撮影したこの雄を見ても、発生からまだ間もないことがわかります。
    尾状突起も含め、ほとんど無傷。他の雄との接触も、まだそれほどないということでしょう。

    まだ、はじまったばかりです。

    こちら、失敗ながら、残念だった1枚。

    もっと失敗は、電池の充電忘れだったかもしれません。
    この1枚に気をよくして、 何度も試みたかったのですが、
    内蔵ストロボの充電も怪しい状況で、早々に止めることにしました。

    この手の撮影に重宝しているのがリコーGX200。
    高感度ノイズが気になるところですが、まだまだ使えます。
    というより、他のカメラではこううまくやれるか、正直自信がありません。

     

  • 春の花にハネカクシ

    花を撮影しようとすると、邪魔する小さな虫がいます。
    詳しく種名はわかりませんが、ハネカクシの一種です。
    写真はキクザキイチゲですが、カタクリやスミレサイシンにもよく見ます。

    キレイな花の写真を撮ろうと思ったら、まず一回、軽く叩いてみるのがよさそうです。

    花粉を食べているようです。それと雌を待つ雄も多いようで、花の上はいつも混乱気味です。

  • トゲアリ

    前日の観察会では、思わぬトゲアリの営巣地の発見に、1人大興奮してしまいました。長年見たかったものに出あえたものですから・・・。

     

    これがその営巣地です。

    翌日に改めて撮影に来ました。
    コナラの巨木が倒れて樹洞がむき出しになってしまった、そんな感じのところに、いったい何匹いるんでしょう、まるでミツバチの蜂球のようにかたまっています。

    こんなかたまりがもう1つ、同じ樹洞にありました。

     

    冬の間、雪をかぶりながら、じっと辛抱してきたはず。いつまでもこうしてはいられないでしょうから、暖かくなってきて、もう間もなく新しい営巣地を見つけて移動すると思います。

     

    こんなチャンスはもうあと数日のものかも知れません。
    ラッキーでした。

     

  • モンシロチョウ

    赤川の土手に見つけたモンシロチョウ。今年初めて見る一匹を、ずいぶん追ったのですが、翅を休めたのはこの一瞬だけでした。

    押さえに1枚撮影して、次に踏み込んだときには再び飛びはじめ、もう止まりません。

    そのうち、遠く届かないところに上がってしまいました。

     

    この日は、別の場所でももう一匹飛んでいるのを見ました。

  • キクザキイチゲとミツバチ

    花に来るハチを撮るのに、コンデジはとっても有効です。
    ハチは花粉集めのために、花の上をちょこまかと歩きまわりますので、動きを止めるためには
    ストロボを使いたいところですが、一眼レフのストロボ同調速(1/250など)では、像のブレが目立ってしまいます。
    それが、全速ストロボ同調ができるコンデジなら、1/1000でもOK。キレイに停めてくれます。
    花の上の動きはもちろん、飛んでいるところもバッチリです。

    再び、キクザキイチゲに来るミツバチを狙ってみました。

     

    ひょっとして前日のマルハナバチ似のハナアブと同じ種類でしょうか?同じくキクザキイチゲに来ていました。

    ツマキモモブトハナアブというアブに似ているような、違うような。。。少なくとも近い仲間かと思います。

     

     

     

     

    特に日当たりのより谷だけですが、
    こんなふうにカタクリがかたまって咲いているところもありました。

    気温はかなり上がっています。お昼過ぎ一時間ほど山にいましたが、ギフチョウの姿は今日も見ることができませんでした。

    この後、車に戻って帰路についたのですが、何だか具合がおかしく、外に出てみたら後輪が1本パンクしとりました。秋に新しくしたばかりのスタッドレスタイヤ。ありゃ〜もったいない。
    午前中、川沿いの道の悪いところをさんざん走らせましたから、その時に何か踏み抜いたようです。

    無茶なことさせてしまいました・・・反省。

  • シャクガの幼虫

    2月はじめに撮影したシャクガの幼虫(>>>)の現在の様子です。

     

    ほぼ2ヶ月ぶりに見たのですが、それほど様子が変わった感じがしませんでした。ですが、以前の画像と見比べてみると、何だか幼虫が小さくなったように見えませんか?

     

    もちろん、大きくなったのはミズナラの芽の方です。これからの1ヶ月、ミズナラの芽吹きと共に、幼虫も劇的に変化するはず。車でも入れる場所ですから、できるだけ足を運んで、幼虫と芽吹きの成長ぶりを観察していきたいと思います。

  • ミツバチとキクザキイチゲ

    今日は朝から日差しが強く、日中の最高気温も10℃超えです。ギフチョウに期待してT山に向かいましたが、まだちょっと足りなかったようです。
    それでも、春の熱気に心が躍ります。キクザキイチゲの咲く斜面には、あちこちからニホンミツバチの小さな羽音が聞こえてきました。

    そして、また昨年同様、永幡さんと遭遇です。これにはお互い笑ってしまいました。ようやく、春が来ましたねぇ。。。

     

       

  • マルハナバチに似たハナアブ

    よりによって変な所にとまってくれたもんです。残念ながら近くのキクザキイチゲに来ることなく、遠くに飛び去ってしまいました。

    体長1cmちょっと。ナガハナアブの一種かと思いますが、詳しくは分かりません。見事なまでに、マルハナバチにそっくり。腹端のオレンジ色なんて、そのまんまじゃないかと思われます。

     

    確か、昨年も同時期、同じ場所で永幡さんと一緒にこれを見ております。

  • ウスバシロチョウの幼虫


    雪のない小諸では2月末にはムラサキケマンの若葉を見ることができ、ウスバシロチョウの小さな幼虫も早い時期から見ることができました。でも、雪深い山形、特に今年は3月末になってようやく地表が出たばかりです。さて、ウスバシロチョウの幼虫はどうしているでしょうか?

     
    意外な事に、すでにいい具合に葉を広げたムラサキケマンがそこら中に見られました。ウスバシロチョウの幼虫も、雪の下にできた空間で、ある程度成長しているかも知れません。。。

     

    食草の辺りをしばらく見てまわったところ、ようやく二匹、小さな幼虫を見つけることができました。
    同じ株の近くで、枯れ葉の上で日光浴していました。

     

    まずは一匹目
       

     

    そしてもう一匹
       

    やっぱり、まだ本当に小さな幼虫でした。体長3mmほど。
    1齢幼虫じゃないでしょうか?
    まだ卵から孵ってまもないところなのかも知れません。

    幼虫を探したのはこんな場所。まだ雪が残っております。

  • ミスジチョウの幼虫

    日本赤十字に義援金を送ろうと、鶴岡郵便局に出かけました。どこの郵便局でもいいわけですが、よし送るぞ!という気合いが鶴岡で一番の郵便局に向かわせましたが、途中また思いっきり吹雪いてきて・・・全くいったい何なんだろう。。。今日は3月17日、啓蟄はもう10日も前に過ぎてるんだぞ!

     

    銀座通りのアーケードの中にも雪が入ってきます。すでに花芽がふくらみはじめたジンチョウゲも寒そうです。

    ついでに一月に見つけた神社のミスジチョウの幼虫を見に行きました。2ヶ月たっても、もちろん幼虫の作った台座はしっかり枝についています。

    もう1ヶ月もすれば、カエデの新芽も開くでしょう。あともう少しです。

  • 顕微鏡対物レンズでチョウの卵

    キャノンの5×以上の倍率をどうやって得られるか、色々模索しております。

    先日、顕微鏡対物レンズの良さそうなのを見つけて、写真用に使えるものかどうかもわからないまま入手。メスアカミドリシジミの卵を撮影してみました。

    絞りのないレンズなので、ボケボケになってしまうだろうと思ってファインダーをのぞいてみると、あれ?、思ったより深度があります。コレなら使えるかもと期待しました。

     

     


    でも、深度合成した写真を見ると、結構怪しい部分が見られます。妙にフラットな白い部分がたくさんありますが、そのあたりは、うまく合成しきれなかった可能性があります。いつもより細かいピッチで30枚撮影の合成なのですが、まだ足りないのかも知れません。ボケが強くて、それで合成が難しくなっている可能性もあります。このあたり、さらに追求していきたいと思います。

     

     


    ミズイロオナガシジミも撮影してみました。こちらは、あまり変な感じもなく、キャノンのMP-E65mmでは解像できなかった部分もしっかり見せてくれました。まずいことに、保管中にカビが成長してきたようです。このクモの糸のようなものは、おそらく菌糸でしょう。

    ちなみにこのレンズ、OLYMPUSの金属顕微鏡用の対物レンズ10×です。

  • アオスジアゲハの蛹


    海沿いの林を見てまわっていて、ふと、1本のタブノキが気になりました。高さ2mもない、まだ小さなタブノキの上の方に、いかにもアオスジアゲハの幼虫が残したような食痕が見られます。秋にそこで育ったものがいるとすればと覗き込んだら・・・ありました!!

     


    これまで野外で卵も幼虫も見ていますが、蛹は見つけたことがありませんでした。色は全体にきれいなので、とりあえず寄生されている様子はありません。勘ですが、生きていると思います。羽化は5月上〜中旬かと思います。それ以降に確認すれば、無事越冬できたかどうかも分かるでしょう。

     

  • ヤママユガの卵


    急に冬が戻ってきました。せっかく地面がのぞきはじめた所も、また雪におおわれて、寒いこと寒いこと・・・。室内で、採集してきた卵の拡大撮影&深度合成作業をやっておりました。これはヤママユガの卵。拡大倍率は4×ですが、すでに十分なサイズです。

     

     


    卵の表面には様々な汚れが見えます。緑色の部分は藻類の集まりでしょうか。こんな小さなガの卵の表面にしっかり生き続けているなんて、すごい。。。考えてみれば、この汚れの一つ一つも、微細な生物たちにとっては世界そのものだったりするのかも知れません。ミクロな世界をちょっとのぞいただけで、色々考えてしまいました。まさに、奥の深い世界です。

  • カシワの卵二種

    最近カシワで見つけたゼフィルスの卵を、室内で5×で撮影してみました。注目したのは卵の大きさです。

    庄内のカシワ林に見られるゼフィルスは、ハヤシミドリシジミとウラジロミドリシジミの二種。両者とも卵の形状はよく似ていて区別は非常に難しいのですが、サイズの違いで区別できるとのこと。それなら、いつもの5×固定で撮影すれば、識別できるだろうと思いました。

    撮影したのは次の5個の卵です。


    さあて、やっぱり微妙な差です。
    一枚目の卵は他に比べてやや大きいようです。これがハヤシミドリシジミで、他はすべてウラジロミドリシジミということでしょうか。
    採集した場所についても、実は一枚目のものだけが全く離れた場所で、他はほぼ1km圏内で採集したものです。

    このまま飼育を続けていけば、答が出るのでしょうけど、相当に根気のいることです・・・う〜ん