カテゴリー: 機材

  • 紫外線撮影への挑戦(4)

    紫外透過可視吸収、赤外カットのフィルターの組み合わせは様々作れますが、その効果は肉眼で確認できません。
    ですから、写った画像を見るだけでは、どう判断して良いか分からない結果に、手持ちのフィルターが間違えているんじゃないかと迷いが出てきたりします。

    しかし、この類の特殊フィルターについては、分光特性のデータが詳しく公開されています。これを利用すれば、複数枚フィルターを重ねたとき、どの波長はトータルで何%透過しているか、計算すればいいはず。さらに一般的な画像素子の分光特性のデータを得て(もちろんE-PL1の特性が違っている可能性もありますが)、果たして自分の紫外線カメラは、紫外線がどれだけ透過しているか、慣れない計算はExcelを利用して、ちょっとしたシミュレーション的なことをやってみました。
    その結果は370〜400nm付近がピークでわずか5%ほどの透過。そして440nmからほぼ0%となり、660〜710nmに再び0.1%以下の透過があるという結果に至りました。候補となる他のフィルターでも試算してみましたが、どうも今の組み合わせが最も無難なようで、ちょっぴり安心できました。しかし!途中で、実はもう一つレンズの特性という重要な要素が抜けていることに気づきました!この試算結果、どれくらい頼っていいものか・・・

    さて、撮影した画像は相変わらず、赤紫にかぶった画像です。

    このままでは、紫外線の反射吸収がやっぱり分かりにくいです。
    何か1つパターンを決めて処理すべきと、だんだん、そんな考えに傾いてきました。
    私には、小諸での海野さんの助手時代に経験した、忘れられない紫外線映像のカラーがあります。
    それを思い出しながら、今回は、Photoshopで「色相」をずらしてみました。

    これもフキノトウ

    キクザキイチゲ

    オオイヌノフグリ。半開きです。

    先日のヤナギの画像はこうなりました。

    フクジュソウはかなり変です。

    自分でも思いますが、大丈夫?といわれそうなレベルになってきました。
    まだまだ迷走が続きそうです。

  • 紫外線撮影への挑戦(3)

    ふりだしに戻りました。。。
    先日OM-Dに紫外線写真用のフィルターを合わせてフクジュソウを撮影したところ、思わぬ結果のよさに大きく心が動いたのが最初。勢いE-PL1の改造に取り組んで、再び紫外線写真の沼にはまり込んでしまったのですが、数日の格闘の結果、気がついたら最初の時点に戻っていました。

    E-PL1での撮影です。前回までのフィルターに、更にもう一枚、手持ちの赤外カットフィルターを足してみました。出てきた結果を見て、これはもう笑うしかありませんでした。カメラのセンサーから外した青いフィルターは、今日レンズの前に追加したケンコー製赤外カットと非常によく似た特性だったようです。色合いも見た目そっくりですし。改造直後にしまったと思ったのは、デフォルトのE-PL1に紫外線写真用フィルターをつけて試し撮りを一切やっていなかったことでした。

    そして、この数日の試みでうすうす感じ始めていたこと。何だか赤外写真を見ているようではないか?フィルターから赤外がかなりもれているんじゃないか?実を言うと、昨日海野さんから電話があり、まさにそのような指摘をもらっておりました。
    各フィルターの分光特性を見ると、明らかなのは700nm付近に1割ほどの透過率で赤外線を通していて、それ以上の赤外も数%通していることが予想できます。わずかな光量で問題無いと思いたかったけど、そうではなかった・・・
    今日のこの結果で、すべてが完全に繋がった感じです。

    私がこれまでブログで公開した写真のうち、紫外線写真と呼べるものは、残念な事ですが、どうやら先日のフクジュソウの写真くらいしかなかったようです。でも、これからはいくらか自信を持って紫外線写真と呼べるものを撮影していけそう・・・いやまてまて、本当にそうなのかな?他の二種類の紫外線フィルターと入れ替えたらどうなるのかな?
    おお、、なんてこった。

    と、まあこんな具合に、これから先も紫外線写真の結果に一喜一憂することが予測されますが、少しずつ進めていきたいと思います。

    本日の収穫はもう一つ、ストロボを光源にしても結果が良さそうだったこと。紫外線ストロボはたぶん発光管が紫外線透過率の高いものを使っているのでしょうけど、普通のストロボでもそれなりに紫外線を放出しているようです。今日の紫外線写真は全てストロボを使いました。

    川原のヤナギの花。

    実際に虫の眼にどう見えているのか分かりませんが、何とも魅力的な輝きを感じます。

    ヤナギの通常光での画像

    鉢植えのウメ

    フキノトウ

    庭のまだ花が開いていないものです。花が咲いたときどうなるのか、楽しみです。

  • 紫外線撮影への挑戦(2)

    E-PL1を紫外線専用カメラに作りかえ、期待いっぱいに試し撮りにのぞんだのですが・・・
    またものすごく赤のかぶった画像になりました。

    これじゃノーマルのOM-Dにフィルターをつけた時の方が良かったんじゃないかと悩んでしまう結果です。
    といっても、前に入手したFull Spectrumタイプのカメラも同じような色傾向でした。
    だから、たぶんこの結果は、向かっている方向は・・・間違っていないのでしょう。
    こんな色の画像になるはずがないと思うから、何だかがっかりしてしまうのですが、むき出しのイメージセンサーにできるだけ紫外域に絞った光を送った、その結果がこれです。

    さて、問題はここからです。
    以前はRGBのチャンネルのうち、Rの情報を除いて(黒でつぶして)赤みを消し、それらしい画像を作ったりしましたが、それは決して正しい方法とは思いません。なぜなら、フィルターを通ってイメージセンサーに達した光は、すでに我々の目には見えていない波長のものだからです。PhotoshopはRGBそれぞれのチャンネルにわけて表示してくれますが、これにたよっては(うまく説明できないですが)間違ったものを生み出してしまいそうに思います。そもそも我々に見えない光の世界ですから、単にセンサーの反応の強弱、つまり輝度情報だけをとらえるべきなのかも知れません。それならいっそモノクロ像にしてしまった方が正しい・・・と考えるべきなのです。
    しかし、そうは理解していても、この謎多い世界をカラーでとらえてみたいという気持ちは消せません。なぜ?・・・それはたぶん、様々に試していると、奇跡の色がたまにチラチラッと見え隠れするからなのでしょう。

    さて、フクジュソウの画像に盛大にかぶっている赤み。試行錯誤の末、まずは全体の色味をグッと落としてみることにしました。色温度は最低の2000K。色偏差、彩度もいつも決まった値だけ落として処理できるよう、紫外線処理用のテイストを作ってみました(SILKYPIX)。

    こんな簡単な事に一晩もがいてしまいましたが、現時点ではこれが最善の策と落ち着きました。でも、まず間違いなく、これで決まりではありません。次にもっといい方法が見えるまでの繋ぎとなるでしょう。まずフィルターの再検討あり、レンズの選択の検討あり・・・まだまだ迷走は続きます。

    以下、同じように処理した画像です。

    フクジュソウ

    フキノトウ

  • 紫外線撮影への挑戦(1)

    E-PL1のイメージセンサーから赤外フィルターとローパスフィルターを外しました。OM-Dを使いはじめて、E-PL1が使わないカメラになってしまうのももったいないと、それならかねてから考えていた紫外線撮影専用のカメラにモディファイしてしまおうと思ったのです。やりかたは天体写真を撮る人達がやっている試みを真似てみました。
    フィルターを外したあとは、安全のために何かカバーするガラスをつけるべきなのかも知れませんが、適当なものが見つかりません。紫外線の透過のいいガラスって難しそうです。下手なものを入れてさえぎるくらいなら、一切を取ってしまう方がBetterなはずです。思い切ってそのままで行く事にしました。

    レンズの前にフィルターをつけないと、紫外線と赤外線の領域もみな反応してしまうはず。
    では・・・テレビの赤外線リモコンでテストしてみましょう。

    まぶしいくらいに赤外線ランプが光っているのが見えます。

    これはビデオ映像からの抜き出し画像

    続いて、手持ちの赤外カットフィルター(BG40)をレンズ前に置いてテスト

    だいぶ光量が落ちますが、まだ赤外線を通しているのがわかります。

    室内で、もう一つ面白い発見がありました。
    こちらは赤外カットフィルターを通して石油ファンヒーターを見たところ

    ほとんど普通に見えています。

    フィルター無しで見たところ

    吹き出し部分、奥に見える金属板が写っています。赤紫に見える意味はわかりませんが、とにかく、赤外線を放出しているのということでしょう。中の炎も、通常より明るく写っています。

    さて、次は実際に外にカメラを持ち出してテストしてみましょう。

  • ファームウェアの改造について

    8月22日に書いたファームウェアの改造について、疑問を感じた方も多かったと思います。
    正直に告白しますと、私は特に違法性を感じずに実行し、記事にしました。
    改めて様々調べてみますと、やはり微妙な行為であると認めざるを得ません。

    まことに申し訳ありませんでした。

    ひとまず該当する情報をすべて削除しました。