小絞りボケ対策

ゼフィルスの卵をいくつか撮影しながら、今こそ自分も深度合成を試してみなければならないと思いました。
常々、高倍率の画質の悪さとは、だましだましつき合ってきましたが、深度合成がその解決策となってくれることに最近になってようやく気づきました。絞れないなら、浅めの画質のいいところで深度合成をすればいい・・・
もうしばらく前から海野さんは積極的に使っておられますし、永幡さんもやっています。
私も昨年暮れから、ようやく(!)Photoshopを本格的に使いはじめて、ソフト上は深度合成も可能になりました。

ただ、これをやるには、正確にピントを移動させながら複数枚撮影しなければなりません。
直径1mmほどのシジミチョウの卵が被写体ですから、それなりの機材が必要です。
そして、ようやく試す環境が整いました。ミズイロオナガシジミの卵でテスト撮影です。

撮影倍率5×。絞りはF5.6。ボディは7Dです。
0.05mm間隔でピント位置をずらした9枚の画像を「レイヤーを自動整列」→「レイヤーを自動合成」で1枚のピントの深い写真にします。

マクロ撮影ではピントを深く取るために絞るのが基本。
ですがデジカメの画素数がアップするにつれてこの常識が当てはまらないケースが増えています。
愛用のキャノンのMP-E65mmも、最大倍率5×では絞って撮っては問題ありです。
これだけの高倍率になると、絞ったときの「小絞りボケ」(回折現象)がかなりヒドく、使い物にならないレベルに画質が落ちてしまいます。
F16まで絞った場合、1×〜2×は特に不満ないのですが、3×くらいから怪しくなってきて、4×以上はNGと見ています。
あくまでも私個人の評価ですが。

あらためて比較してみましたが、驚きの結果がでました。最大倍率5×での部分アップです。
左がF16まで絞った画像、右がF8での画像。それぞれピクセル等倍です。
 
最小絞りがこんなにひどいとは・・・あらためて驚きました。

もう少し突っ込んでみると、F5.6は更に画質がいいようです。そして、F4まで開けると、色収差が出てきました。
これで決まりです。深度合成はF5.6で行く事にしました。
結果は冒頭の画像です。期待以上の高画質が得られました。
↓ピクセル等倍で見るとよくわかります。

全く動かない被写体でしかできない撮影法ですが、かなり有効です。

↓こちらはトリミング画像。トリミングなしでこれくらい行きたいですね。


“小絞りボケ対策” への2件のフィードバック
  1. http://www.knock.ne.jp/moly/Photo/labo/Diffraction/Diffraction.html
    最小絞り ここが詳しいです。今日から奄美ー沖縄です

  2. 高嶋清明

    !!! コメントありがとうございます !!! 最近、かなりサボり気味で、恥ずかしいです。。。
    ブログ毎日更新されているんですね。私も、がんばります!

    最近になって、急にこの現象について気になってきました。
    APSやフォーサーズ素子だとよりでやすくなるようで。
    解像度が上がると、微細な表面構造など見えなかったものが見えてきますから、重要ですね。

    ところで、回析現象ではなく、回折現象が正しいのでしょうか。

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