Kiyoaki Takashima/ 高嶋清明のBLOG

ホシササキリ鳴く 2K240fps / FS700 + SHOGUN INFERNO

私の耳には聞こえない高い声で鳴くホシササキリ。マイクを通すと聞こえるものの、生では全く聞こえないと思っていましたが、最近、音源の方向に耳を向けると、かすかに聞こえることに気づきました。ところが音源に正対するとまるで聞こえない・・・そして近い音でないと聞こえません。結局、鳴き声の主を探すのには大変苦労することになります。今日は、探しはじめて撮影に成功するまで、二時間ほどかかってしまいました。


無事、目標の音ありスロー映像を撮影できました。

実は映像がなくとも、音声ファイルを波形表示すると翅をこすり合わせる回数など、かなりの部分が読み取れます。

拙著「声から調べる昆虫図鑑」付属の音声CDから、ホシササキリの鳴き声を波形表示してみます。使用ソフトはAudacityというフリーソフトです。

23秒の全体表示。縦軸は音圧で横軸は時間です。

同じファイルをスペクトグラム表示。縦軸は音の周波数です。赤い色の濃い部分が音が大きいところで、特に強い部分は黄色く表示されます。人の可聴域の限界といわれる20kHz以上に特に強い音があります。現在の私の聞こえの限界は14kHzくらいにありますから、ホシササキリの声がほとんど聞こえないのも当然です。

320kbpsのMP3でサンプリング周波数は48KHzに制限され、高い音は23kHzくらいでカットされてしまうが、オリジナルWAVファイルにはさらに高い音が含まれている。

ふたたび波形表示にもどり、部分拡大します。時間軸を広げて見ると、一回のシーー音のなかに34の音があることがわかります。

さらに拡大表示すると、その34の一つ一つの音のなかに、5つの山が見えてきます。これが翅をすり合わせる回数と一致します。

5回翅を連続ですりあわせ、一呼吸おき、次の5回翅のすり合わせ・・・これを30回以上繰り返して、シーーという音一回分になっています。その様子は音ありスロー映像でよくわかります。以前より、音声波形から多分こうだろうと想像していましたが、映像で見るまでは、ずっと確信がもてないままでした。


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