Kiyoaki Takashima/ 高嶋清明のBLOG

ツマグロオオヨコバイ 基質振動によるコミュニケーション

鶴岡も、ようやく春本番な感じになってきました。この日は終始曇り空でしたが、最高気温は18℃。我が家の庭では、越冬明けのツマグロオオヨコバイが常緑のヤツデに集まっていました。これはもう確実に春が来たことを物語っています。

しばらく観察していると、葉にとまって体を震わせ、仲間と交信していることが見えてきます。頻繁に飛んで葉から葉へ渡っていきますが、とまるとまず震えて他の仲間の反応を待ちます。仲間からの返信(振動)が返ってくると、脚を伝って感じ取り、時にはそのまま会話を続けます。この映像はその様子をとらえたものです。反応がないと、ここは脈なしと別の場所に移っていきます。こうしてまず仲間同士が集まるポイントができあがっていきます。やがて雄と雌の出会いも生まれます。

セミは空気振動による鳴き声、つまり我々の耳にも聞こえる音で仲間とコミュニケーションを取りますが、ツマグロオオヨコバイは植物に伝わる基質振動を使います。細かく震えるのが見えますが、我々の耳には何も聞こえてきません。ヤツデの葉にコンクリートマイクに手を加えた特殊マイクの針を刺し、耳に聞こえる音としてとらえました。


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