Kiyoaki Takashima/ 高嶋清明のBLOG

津波被災地のアオイトトンボ

ヒヌマイトトンボの生息地に行ってきました。

永幡さんがすでに同じ宮城県でヒヌマイトトンボの生存を確認していて、私も4月より通っているこの地でぜひ確認したいと思っています。

しかし、結果を言えば今回も出会いは無しでした。
朝に1時間、午後から2時間探し続けましたが、残念な結果に終わりました。

風は少なく、天気もよく、コンディションは上々です。一匹でも確認できればと思ったのですが、力及ばず・・・。

永幡さんの発見もありましたので、私はこの場でも生き残っていたものがいたと強く信じています。何しろ広いアシ原ですから、当然見落としはありますから。

そんななかで意外な生き残りを多数発見しておりました。それが表題のアオイトトンボです。

例によって、たっぷりのアブラムシと格闘しながらアシ原をかき分けていくと、アオイトトンボが次々に飛び立つポイントがありました。

最初はもちろん、アオイトトンボが生き残っていたことに感激しましたが、たびたびの登場に、なんだまたアオイトトンボかと失望の対象となってしまったのはおかしな事でした。

鮮やかな緑の輝きは、津波のヘドロにまみれた土地に生まれたことを全く感じさせません。

普通種でありますが、大変美しいトンボです。 華奢なトンボに見えるかも知れませんが、正真正銘、あの恐ろしい津波の襲来を耐えて生き残った、ものすごいタフな連中です。

こんな風に書きますと、そうじゃないんじゃないか、津波の害のないところで羽化して飛んできたんじゃないのか、とおっしゃる方もいるでしょう。

私も最初はそう思いました。
あまりに数が多すぎたからです。

アオイトトンボは池や水たまりに育つもの。
無事な水たまりがあったとしたら、それは津波の被害のなかった、さらに1km以上海から離れたところに違いないと思いました。

しかし、歩きまわっているうちに、すぐ近くで驚くべき水たまりに出くわします。

まさか、まさか、こんなハス池がこの土地に復活しているとは・・・。

 



そして、そのハスの茎に、アオイトトンボのものらしきヤゴの抜け殻を複数発見。
ここから発生したものなのでしょう!
ハスもアオイトトンボも津波に打ち勝ったのです!


すぐ近くにオツネントンボも一匹見つけました。

!!・・・抜け殻はオツネントンボなのかな?


“津波被災地のアオイトトンボ” への2件のフィードバック
  1. あの津波で何もかも押し流されたかと思いました。
    でも,生き残りが居たと分かりほっとしました。
    きっと卵か幼虫でとどまっていたのでしょう。

    アオイトトンボの金属光沢に輝く胸部に見とれてしまいます。

    このアオイトトンボ科の仲間は翅を開いたまま止まる習性があります。

  2. 高嶋清明

    津波に打ち勝ったものか、他所から移ってきたものか、分からず終いでした。失われたものがあまりに大きかったため、特に輝いて見えたのでしょう。しばらく何も手がつかなくなってしまった自分でした。

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