鮭川から帰って予定の撮影をと思ったら、モデルさんの具合が今ひとつ。
それがために高橋さんから今晩一杯どうっすかとのお誘いを断ったのに。。。などと思っていると、酒田から鶴岡に移動中の永幡さんより電話。
先日のホタルの場所にご案内することに。
ホタルのポートレートを撮らなければと思っていたので、とてもありがたいお誘いでありました。
永幡さんにチョウセンアカシジミの生息地を案内していただいた。
山形県の天然記念物に指定され保護されている貴重なチョウである。
長年調査している彼にベストな場所をと聞くと、やはり小国という事に。
天候にも恵まれ素晴らしい一日だった。永幡さん、本当にありがとう!
トネリコにとまるチョウセンアカシジミ
6月18日 山形県小国町 E-520 50mmマクロ+1.4xテレコン
幹にはすでに卵が産卵されていた
6月18日 山形県小国町 E-520 14-42mm
トネリコの根本を歩くのも要注意!
足下にはまだ羽化前の蛹が残っているはず。
卵のアップ
6月18日 山形県小国町 EOS KissD X MP-E65mm
交尾個体も見られた
6月18日 山形県小国町 E-520 50mmマクロ+1.4xテレコン
現地を離れ振り返ってみると、何とも危ういチョウだったという感が強まってきた。
狭い範囲に集中しているという環境もそうだが、チョウ自体が何とも脆そう。
バランスが悪いというか、どうも普通のチョウと同じ感覚で見られない危うさを感じる。
天然記念物であり採集禁止であるが、卵を採集して逮捕者が出たりもする、という話も心配。
だが、こうしてチョウセンアカシジミを前にして感じた不安はまた別のものだ。
チョウセンアカシジミというチョウをもっとよく知らなければいけないと思った
雄のテリトリー争い。
秒300コマの映像を、Motionで擬似的に秒600コマにしてみた。
Motionだとカタカタ感がないスムーズなスローが作れるようだ。
秒300コマでとらえたハッチョウトンボの産卵。
時々、真っ赤な雄が画面を横切る。
この映像、ちょっと細工をして一眼レフ用90mmマクロをEX-F1につけて撮影している。
自作モノとしては健闘しているつもりだったが、どうもこの方法には無理がある。
せっかく面白い場面を前にして、こんな画質ではダメだダメだ。。。
と自分に言い聞かせ、今日は自分としては相当高価なモノを注文してしまった。
頼むから、自作モノとくらべて劇的に高画質であってくれよ。。。
山形ではハンミョウはそれほど珍しい昆虫ではないようだ。
これまで、数は少ないものの、何度も姿を見かけている。
今日、柴田さんに案内していただいた場所は、結構な数がいた。
6月11日 山形県鶴岡市 E-520 50mmマクロ+1.4xテレコン
成虫もまずまずの数だが、幼虫の穴を探してみると、あるわあるわ。。。
しばらく辛抱強く待っていると、出てきました〜
小諸でよく見ていたニワハンミョウの幼虫より、ずっと敏感な感じがする
こんな穴も結構あった。アリの巣に利用されている。
ハンミョウは幼虫も成虫もアリが大好き。
でもアリはそんな事は知らないだろうし、
仮に知っていても気にすることなんてないだろう。
6月11日 山形県鶴岡市 EOS KissD X MP-E65mm
ブナの林内を歩いていると、足下をハンミョウが何匹も歩き回っている。
飛べないハンミョウ、マガタマハンミョウだ。
普通のハンミョウなら追いかけるとすぐに飛び立つところだが、こいつは走って逃げるのみ。
噛みついているのは雄が交尾時にとる行動。これは他のハンミョウも同様。
あごが疲れるだろうに、ご苦労なことだ。
もう一種、後翅が退化して飛べない甲虫は、コブヤハズカミキリ。
同行していただいた柴田さんも言っていたけど、最近よく道路に出ているのを見る。
今日見た一匹目は、どうもオトシブミの揺籃を食べていたようだ。
あれっと思ったときは、落ち葉のかげに隠れてしまった。
落ち葉に潜るカミキリムシというのも、何だか妙な感じ。。。
おまけに落ち葉をのけてみると、死んだふりをしている。
画面には入っていないが、実はもう一匹いた。
次に見つけた一匹は、ツバキの花を囓っていた。
どうも、地表のこうした植物の落下物を好んで食べているように思えた。
6月11日 山形県鶴岡市 E-520 50mmマクロ+1.4xテレコン
ヒゲナガオトシブミの雄を見た。
最初、ショウマの葉を食べていたのだが、近づいただけでやめてしまった。
ポーズが面白かったのに、ちょっと残念。
でも、こいつは姿かっこう自体が冗談のような虫である。
ヒゲナガオトシブミというと、小諸にいた頃は
アブラチャンにつくもっと赤黒いものの方をよく見ていた。
今日見たものはキイロヒゲナガオトシブミとよばれるタイプ。
何の葉を巻いているのか見ることはなかったが、
ひょっとしたら頭上高くブナで巻いていたのではないだろうか。
近くには、こんなのもいた。
色合いからヒゲナガオトシブミの雌と思ったのだけれど、
上の雄とくらべると随分小さい。
こちらはウスアカオトシブミであった。
6月11日 山形県鶴岡市 E-520 50mmマクロ+1.4xテレコン
鮭川村のギフチョウシンポで楽しくお話しさせていただいた鶴岡市の柴田さんから、
別のハッチョウトンボのポイントを案内していただいた。
これがまたスゴクいい場所。
大切に守っていかなければならない貴重な環境と感じた。
柴田さん、どうもありがとうございました!
ハッチョウトンボの棲む環境はだいたいどこも似ている。
長靴で歩いてみると、水底の泥も含めて足首くらいまでの浅い水深だ。
6月2日 山形県鶴岡市 E-520 14-42mm
羽化したばかりの色の薄いものが大多数。
色づいて雌雄の区別のつきやすくまで成熟しているものも2割ほどいた。
6月2日 山形県鶴岡市 E-520 50mmマクロ+1.4xテレコン
水の中にはハッチョウトンボのヤゴも容易に見つけられる。
それらを含めるとかなりの数になりそう。
6月2日 山形県鶴岡市 E-520 50mmマクロ+1.4xテレコン
他にもたくさんトンボが見られた。
多かったのはシオヤトンボ。
下の写真は、ヨツボシトンボとコサナエ。
6月2日 山形県鶴岡市 E-520 Nikkor Ai-S 300mm
まだつぼみをつける前にしおれてしまったヒメジョオン。キクスイカミキリという小さなカミキリムシが産卵したためにこうなってしまっている。今のこの季節、花壇のものも含めて、キク科植物は多くこのカミキリに狙われている。ヨモギ、フランスギクなどに多いだろうか。
ヒメジョオンの枝に傷つけているキクスイカミキリ。横に何本もかみ傷が見える。
近づくと結構敏感に反応する。作業を途中でやめてしまい、ポトリと落ちたり飛んでいってしまったり。この時も、傷つけている途中で枝先まで登っていって、傷つけていた場所と離れたところで産卵行動をとって、飛んでいった。以下、続けて撮った写真だが、一連の動きをとらえていないと思う。
6月1日 山形県鶴岡市 E-520 50mmマクロ+1.4xテレコン
横に傷つけるのは枝をしおらせるためのもので、産卵は傷のライン間に行われるらしい。枝に傷をつけるのは、卵が安全に孵化し、幼虫が中を食べ進むために必要なのだ。完全に枯れてはダメだし、生でもいけないのだろう。
次は遠くから望遠で狙ってみたい。
どんどん大きくなるクリの葉を見ながら、ナミオトシブミが全く見つからないのが不思議だった。
海野さんはよく東北でハンノキのなかまで葉を巻くところを撮影されていたので、そちらも気にしていたのだが見つからないまま。
でも、今日ようやく見つかった。
沢沿いにあった細長い葉につくられた揺藍。大きさといい形といい。。。
今日は気温が低く、揺籃づくりはしていなかったようだ。
葉裏に休んでいた雌を発見。
カメラを向けたら歩き出した。
5月29日 山形県鶴岡市 EOS KissD X MP-E65mm
こちらは雄。雌より頭が長い。
5月29日 山形県鶴岡市 EOS KissD X MP-E65mm
この細長い葉の植物は何だろうと思っていると、ふと目に入った別の虫。
クルミハムシだ。とすると、これはクルミ?
家に戻って調べてみたところ、サワグルミとわかった。
5月29日 山形県鶴岡市 EOS KissD X MP-E65mm
お腹の大きな雌と、隣は雄だろうか。
久しぶりに鮭川村のギフチョウの保護地に行ってみた。
ミチノクサイシンの下にいるはずの幼虫をしばらく探したが、こいつあ全く難しすぎる。
そのうち、視界の隅にチラチラ見えているウスバシロチョウが気になってきた。
なんか妙だぞ。。。
とまった一匹を見て、そうか黒化型かと思い出した。
黒いウスバシロチョウは、日本海側に多く見られるらしい。
海野さんも、かつて何度か小諸日記に書いておられた(黒いタイプと白いタイプ)。
でも私自身は、あまりしっかり見た記憶がない。
長野のものは白かったし、山形の庭で見ていたなかにこんなのはいなかったと思う。
白い鱗粉がほとんどなく、翅が黒というか半透明だ。
こちらはいくらか白い鱗粉があるが、とても薄い感じがする
5月28日 山形県鮭川村 E-520 50mmマクロ+1.4xテレコン
これは面白いと撮影していると、鮭川村の矢口さんが通りかかって、お話しを聞くことができた。
このあたりじゃ、このタイプがむしろ普通なのだそうだ。
驚きました。。。