Kiyoaki Takashima/ 高嶋清明のBLOG

昆虫撮影術33ページ補足

今年の3月半ばに発刊された、アストロアーツ「デジタルカメラ昆虫撮影術」 この33ページは私の機材紹介になっているのだが、そこに写っているZUIKO マクロ20mmについて、少し補足してみたい。
雑誌に出すならちゃんと情報を入れなければならないと思っていたのだが、文字数が限られ、そこにギュッと凝縮したのだけれど、やはり全然たりなかった。以来、ずっと気になっている。無責任な仕事だったと思うからだ。
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▲ZUIKO マクロ20mm f3.5
このレンズは1970年代、OLYMPUSがマクロフォトシステムで他メーカーを圧倒していた頃にラインナップされていた超接写用レンズ。のちにOMマウントの新設計のレンズが出たわけだが、私はこの小さなレンズの方が好きだった。このレンズのマウントは、RMSマウントという顕微鏡対物レンズと同一のものだ。現行当時はOLYMPUSだけでなく、Nikon、Canon、Minolta、Pentax、Leitz、Zeissなど主要なカメラメーカーは全てこのタイプの超接写レンズを出していた。当時はベローズ用レンズとして紹介されていたので、コンパクトなのに、大がかりなセットが必要と思われがちだ。
でもムック33ページに紹介した写真のように、実際にはとても小さく機材を組むことができ、手持ち撮影も楽々可能なのだ。えらく露出倍数がかかって、素通しの光学ファインダーではまっ暗になってしまうところだが、ミラーレスのビデオ像ファインダーならゲインアップしてくれるはずだ。OLYMPUSならLVブーストでバッチリ!かつては扱いにくかったレンズが、最新デジカメとの出会いでよみがえる・・・こんな素晴らしいレンズがなぜ現行でないのだろうと不思議に思う。今、オークションで入手しようと思うと、えらく苦労するはずだ。
さて、ムックにも書いているとおり、BORGのM42ヘリコイドシステムを利用しているのだが、それはカメラ側だけ。肝心の20mmレンズ側は説明できていないし、小さい画像ではよくわからないはずだ。重要パーツは以下の2つである。

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▲ BORG Cマウント→M42P1AD【7527】

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▲RMS→cマウント変換リング。ここに20㎜マクロを取りつける。これはBORGの商品ではない。私はユニエル電子から入手した。

2つのパーツの間にcマウント接写リングを入れる。細身のリングによりコンパクトで照明も入れやすくなる。
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▲cマウントのリングは、虫の眼レンズのパーツとして多数持っているので、サイズ調整に重宝している。

これで基本撮影には問題無いはずだ。
ただ、私のレンズの場合、当初、若干の問題があった。古いレンズなためだろう、以上の組み合わせでは内面反射が気になった。コントラストが甘く黒がしまらないのだ。そこで何か策はないかと色々試した結果、RMS→cマウント変換リングの後ろに、次のパーツを入れたら満足のいく結果が得られた。
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▲Cマウント用の絞りリング。絞りとしての効果は感じられないが、イメージサークルを狭める事で内面反射が押さえられているらしい。もともと顕微鏡対物レンズに絞りをと思って買った少々お高いリングだったが、まるで役に立たず、しばらくただのガラクタ状態であった。


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